ベルリンを拠点に活動するアーティスト、アリシア・クワデ(Alicja Kwade)の個展が、「Pace Gallery」で開催される。大小さまざまな彫刻を配したインスタレーションに加え、紙の作品を通じて、物と物の間に存在する目に見えない空間や、時間・光・知覚の不確かさを探究する。
会場には、桃・巨石・鏡・時計など日常的なモチーフを用いた作品が並ぶ。鏡面仕上げのステンレス管が花崗岩(かこうがん)を貫く「Tunnel-Tell」シリーズでは、管の内部に広がる空洞と反射が、空間や知覚の在り方を揺さぶる。また、異なる素材で同じ石を表現する『Ad Idem Aliter』や、砂時計を思わせる構造で巨石をつなぐ『Strange Attractor』なども紹介。時計の針が逆方向に動く作品では、時間の流れに対する固定観念を問い直す。
展覧会タイトルは、15世紀の画家コンラート・ヴィッツ(Konrad Witz)による絵画『奇跡の漁り』に由来。フランス語の「pêche」が「漁」と「桃」の両方を意味することにも着目し、日常と美術史、現実とイメージの境界を軽やかにずらす。見慣れた世界の背後に潜む不確かさや、知覚の新たな可能性に触れられるだろう。
※11~20時/定休日は月曜/入場は無料





