現代日本を生きるキッズたちの、 ストリートレベルのパフォーマンス 最近、東京の街なかを異様な巨大オブジェが走り回っている。迷彩色のハマーが引っ張るトレーラーに、「さあ、いらっしゃい」とばかりに両腕を上げた、女のロボットが2体。それが大通りを、まったく説明のないまま、ただ走りすぎていく……。
露出度高めなダンサーがロボットを操縦するレストランに、趣向を凝らしたラブホテル、眠らない新宿二丁目。東京には人間の欲望というものを追求した結果生まれた娯楽(=エンターテインメント)スポットが数多く存在する。それらは俗物的かと思えば、ときに珍妙だったり妖艶に見えたりする。そんな東京に散らばる名(迷)所を案内してくれるのは、編集者の都築響一だ。都築は、雑誌『POPEYE』、『BRUTUS』にて現代美術、建築、デザイン、都市生活などの編集を経て、東京で生活をする若者たちのリアルな部屋を撮影した『TOKYO STYLE』や、日本各地の奇妙な名所を探し歩いた『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』を刊行するなどし、既存メディアが紹介しない視点から現代社会を切り取ってきた。スカイツリーや吉祥寺、銀座を東京のA面とするなら、都築が紹介するのはB面とでも言おうか。圏外編集者に導かれ、大都市東京の深層部に潜ろう。