皇大神宮
Photo: Kisa Toyoshima

伊勢で正月を満喫するために知っておきたい6の豆知識

お得な切符や年末年始の交通事情、ご当地グルメなど

テキスト:
Shiori Kotaki
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多くの人の憧れである「お伊勢参り」。江戸時代、全国に広まった伊勢音頭の中でも「伊勢に行きたい、伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」という一節がうたわれているが、伊勢神宮での初詣を計画している人もいることだろう。

ここではそんな人たちのために、伊勢で暮らすローカル(つまり、伊勢のスペシャリスト)に教えてもらった、伊勢でお正月を満喫するために知っておきたい6つの豆知識を紹介する。お得な切符や年末年始の交通事情、ご当地グルメ、「おもいやりシャトルバス」など、ディープで快適な旅にするべくローカルな情報をしっかり仕入れておこう。

1. 神宮で「干支置物」と交換できる「伊勢神宮初詣割引きっぷ」をゲット

この時期に伊勢に行くならば、「伊勢神宮初詣割引きっぷ」(東海版4,800円、関西版5,300円)を手に入れておくのがいい。これは、名古屋や大阪、京都、奈良方面からの往復特急券に加えて、以下の特典が付く切符だ。

「伊勢神宮初詣割引きっぷ」に含まれる内容
・往復特急券
・伊勢神宮で参拝記念品「干支置物」と引き換えられるチケット
・伊勢志摩の特産品が当たる抽選に参加できる応募はがき
・主要観光施設の割引サービス
・乗降自由となるフリー区間(松阪駅~賢島駅間)の特急券引換券(2枚)

「干支置物」イメージ|画像提供:近畿日本鉄道株式会社

ちなみに、通常の往復特急券の金額は、近鉄名古屋駅〜伊勢市駅間で5,620円、大阪難波駅〜伊勢市駅間で6,340円。この切符がいかにお得かということがよく分かるだろう。

発売期間は2022年12月31日(土)まで。利用期間は12月30日(金)から2023年1月31日(火)までで、利用開始日から連続3日間が有効期間となる。観光施設の割引サービスやフリー区間の特急券なども活用して、ぜひ参拝後も伊勢を満喫してほしい。

一部、割引サービスの対象でない施設も含まれるが、伊勢志摩地域にある各施設の年末年始の営業状況はこちらから確認可能だ。

「伊勢神宮初詣割引きっぷ」の詳しい情報はこちら

2. 覚えておきたい年末年始の交通事情

12月31日から2023年1月5日(木)と、1月7日(土)から1月29日(日)の土・日曜日・祝日は、伊勢市内(外宮・内宮周辺が中心)で交通規制が実施される。

年末年始の日中、神宮近くの駐車場や道路はかなり混雑するので、この時期は公共交通機関の利用がベストだ。12月31日の21時30分ごろ〜1月1日の8時ごろと、1月1〜31日の8時ごろ〜17時ごろは「外宮前」から「内宮前」間と、「近鉄五十鈴川駅前」から「内宮前」間で臨時バスも運行する。神宮へ参拝する際は、こちらの利用も勧めたい。

車で行く予定の人は三重県営サンアリーナ周辺の広い駐車場に車を停めて、神宮(内宮・外宮)近くまで走るシャトルバスに乗り換えるのがいい。これは「パーク&バスライド」という取り組みで、1月1日〜4日(水)・8日(日)に運行する(運行時間などの詳細はこちらの交通案内図とパーク&バスライドをチェック)。

シャトルバスの運行期間は国道に専用レーンが設けられるので、渋滞知らずで神宮へ行くことが可能。また、時間ごとに料金が上がっていく内宮周辺の市営駐車場に比べて、「パーク&バスライド」利用者用の駐車場は1日停めても1台1,000円であること、シャトルバスには無料で乗れることもうれしいポイントだ。

内宮方面のシャトルバスを降りた場所から内宮入り口までは約800メートルあるが、この間を運行する「おもいやりシャトルバス」もある。「パーク&バスライド」利用者かつ歩行が困難な人限定で乗車できるので、この距離にハードルの高さを感じる人は、ぜひ利用を検討してみてほしい(利用に関する詳細はこちらの項目3をチェック)。

ちなみに、伊勢インターでは「パーク&バスライド」の実施期間中、すべての車両がおりることができない。伊勢西インターでも12月31日の22時ごろから交通規制が始まるので車で伊勢に向かう人はこの情報もしっかり覚えておこう(詳細はこちらをチェック)。伊勢市内の交通状況を確認したい人は「らくらく伊勢もうで」のウェブカメラが便利だ。また、外宮・内宮エリアにある駐車場の満空情報も「らくらく伊勢もうで」の「駐車場案内」から確認することができる。

3. 元日なら夜間に参拝するのがローカル流

神宮に参拝する際は、古くからの風習にならって夫婦岩がある二見浦でけがれを落とした後(現在は「二見興玉神社」に参拝し、おはらいを受けてから神宮へ向かうことが主流)、外宮から内宮の順に参拝するのが通だ。二見興玉神社は、1月1~3日(火)は7時から、4〜5日(木)は8時から御祈祷(ごきとう)を受け付けている。

元日に神宮を訪れる場合、混雑することは覚悟しておくべきだが、地元民が1日に参拝する際は夜間を狙うことが多いという。混雑状況は「らくらく伊勢もうで」や、人がどのくらい集まっているかをチェックできる「空きです、伊勢」で確認しつつ、1日の「パーク&バスライド」が終わった頃の夜間の時間帯が穴場だそうだ。

神宮は、外宮・内宮ともに12月31日の朝5時〜1月5日の20時まで夜間を含めて参拝することが可能。「夜間参拝」は年末年始にしか体験することができないので、そういった意味でもこの時間帯の参拝をおすすめしたい。なお、年末年始の詳しい参拝時間についてはこちらから確認できる。

地元住民の中には、年内にお礼参りに行き、年が明けてから初詣するという人もいる。年末から滞在予定の人はローカル流に参拝するのもいいだろう。

4. にぎやかに年を越すなら「おはらい町・おかげ横丁」

通の参拝の流れからはそれてしまうが、にぎやかな年越しを体験したい人は、一部年越し営業をしている「おはらい町・おかげ横丁」で過ごしてみるのもいい。「おかげ横丁」で年越し営業をする店は、12月31日の17時に一度店を閉め、22時に再開するところがほとんど。早く行き過ぎると入れる店がないこともあるので注意しよう。各店の営業状況はこちらで確認可能だ。

Photo: Keisuke Tanigawa

ちなみに、伊勢市駅周辺の店舗では年末年始に休業しているところも多いので、市内を観光する際は事前に営業状況をしっかり確認しておこう。

5. 「どんど火」に圧倒されて「どん丼火」を食べる

12月31日、外宮では「どんど火」の名で親しまれる「大篝火」がたかれている。点火されるのは18時ごろで、大みそかの晩から年越し参りや初詣に訪れる参拝者に暖を与えているのだ。

直径約3メートルほどの円ができるように並べられた薪(まき)に点火され、その迫力は圧巻。迫力に比例するように火の粉もすごいので、ダウンジャケットなどの焦げには注意しよう。

もし、この「どんど火」を見られなかったという人は、「どんど火を食べる」という方向にシフトチェンジするといい。2009年8月に開催された伊勢商工会議所主催の「どんぶりコンテスト」で優勝した「どん丼火」は、「どんど火」をイメージした一品。伊勢志摩地方で収穫された米や「錦爽(きんそう)どり」という地鶏などを使った丼で、「月夜見宮」近くにある「麺菜レスト いちし」で味わうことができる。

「どん丼火」|Photo: Shimpei Wakabayashi

6. おみくじを引くなら「猿田彦神社」へ

神宮には外宮・内宮ともにおみくじがない。一年の始まりにおみくじを引きたいという人は、内宮から歩いて約10分のところにある「猿田彦神社」に立ち寄ろう。

Photo: Keisuke Tanigawa

「猿田彦神社」は、物事の最初に現れ、最も良い方向へと導く猿田彦大神をまつる神社。おみくじを引かずとも、新年に立ち寄りたいスポットだ。 

そのほか「伊勢旅」をもっと便利に楽しみたい人は、タイムアウト東京のLINE公式アカウント『Desika:伊勢でしか』の「友だち追加」も忘れずにしておこう。

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