東京、下町ハイボール6選

東東京のローカルドリンク、店独自の配合を飲み比べる

作成者: Kunihiro Miki |
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テキスト:星葡萄
写真:小濱晴美


「店ごとに異なる味を開発できる下町ハイボールは発明である」という話を墨田区のもつ焼き屋で聞いて以来、下町ハイボールのことが気になっていた。いまや全国区の知名度があるホッピーと違って、下町ハイボールを関東地区の居酒屋以外で見かけることはまずない。「隅田川から西には渡らせてはいけない」という教えがあるらしい。

発祥についてや、焼酎を炭酸水と一緒に混ぜる「謎のエキス」についても、酒屋や居酒屋で話を聞いてみたが、はっきりとしない。今どき、こういう謎に出会えるのはうれしい。とにかく、その謎のエキスと炭酸と焼酎をその店独自の配合で割り、酸味、甘味、苦味のバランスの違いを楽しむのが下町ハイボールの醍醐味のようだ。

今回は、生粋の飲んべえたちが集まる立石や、いわゆる酎ハイ街道と呼ばれる八広と鐘ヶ淵のエリアを飲み歩き、氷やレモンの有無、炭酸水の量などに注目しつつ、下町ハイボールの飲み比べをしてみた。

バー, パブ

江戸っ子

立石

氷:なし  
炭酸:強め
レモン:あり(半円)


立石の関所として親しまれている江戸っ子は、開店と同時に席がほぼ埋まってしまう人気店。ほとんどのお客さんが、下町ハイボールを注文する。初めて飲んだ時は、アルコールが強すぎたために2杯目は氷を入れてもらったが、そのまま撃沈したことを覚えている。味はすっきりしていて飲みやすいが、何しろアルコール度数は25度。モツ焼きとの相性は抜群。

レストラン

日の丸酒場

向島

氷:なし
炭酸:強め 
レモン:なし

八広駅から2分ほどで日の丸酒場にたどり着く。店内はL字のカウンターと奥に和室の座敷がいくつかある。飲みに来た人だけでなく、夕食がてら家族連れで来ている人も多い。メニューはほとんどが500円以下。『トンカツ』(350円)をサカナに下町ハイボールを飲む。ここの下町ハイボールはカウンター上にグラスを置き、瓶の炭酸水を一気に注ぎ、さらにジンロの瓶に入った琥珀色の焼酎をグラスになみなみ注ぐという作り方。甘味がなくドライで、すっきりしていて飲みやすい。

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レストラン

三河屋

向島

氷:なし 
炭酸:強め 
レモン:なし

八広駅から8分ほどの場所にある三河屋。床は土間でL字のカウンターは8席。4人掛けテーブルが2卓ある。こじんまりとして落ち着く空間だ。メニューは、豚生姜焼きやモツ煮込み、刺し身のほかに『インスタントラーメン』(400円)まである。マグロの刺し身は中トロが出てくるので得した気分だ。下町ハイボールは大きめのジョッキに注がれており、色は緑がかった白。酸味が少しあるドライな味で、焼酎は濃い。常連客が気さくに接してくれる良い店だ。

レストラン

愛知屋

向島

氷:なし 
炭酸:少なめ
レモン:あり(4分の1カット)

八広から鐘ヶ淵までを通る酎ハイ街道を歩きながら、岡ちゃん、亀屋を通り過ぎて信号を左折し歩いていくと、愛知屋がある。中に入ると、カウンター向かいの水槽で飼われているウーパールーパーが出迎えてくれる。同店の下町ハイボールは、焼酎とエキスが液体ではなく凍らせたシャーベット状で提供される。キリッとした冷たさと、シャリシャリとした食感もたまらない。辛みのある味わいで、飲み口はすっきりとした印象だ。モツ煮込みのこってりした味とのコンビネーションも抜群。

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レストラン

はりや

向島

氷:あり 
炭酸:少なめ 
レモン:なし

道路拡張工事のため一度閉店していた、はりや。リニューアルしてから行くのは初めてだ。女性でも入りやすい外観に代わり、メニューも一部リニューアルされていた。ハンバーグはサニーレタスとカイワレ大根が添えられた和風の味付け。同店の下町ハイボールは、謎のエキスの量は少なめでとにかく飲みやすい。バランス重視の一杯という印象だ。アルコールを頼むともらえる小判型食券札は、会計時に持って行こう。

レストラン

栄や

向島

氷:あり 
炭酸:少なめ 
レモン:あり(丸ごと1個) 

最後は鐘ヶ淵駅から徒歩2分の栄や。同店の下町ハイボールは、レモンがまるごと1個入っていて、謎のエキスの味はほとんど感じない。飲みやすく、個人的には一番好きな味だった。そして、つまみで注文したカルビがとにかく柔らかくジューシーで、その上質さに驚いた。女将の体力が続く限り、なるべく足を運び続けたい一軒だ。

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