としまえん
Photo: Kisa Toyoshima

東京アーカイブ:第1回 としまえん

94年の歴史に幕、何世代にもわたって愛された遊園地

テキスト:
Shiori Kotaki
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Photos:Kisa Toyoshima

惜しまれながらもなくなっていく東京の名所を写真で記録する『東京アーカイブ』。第1回は、2020年8月31日(月)、94年間の歴史に幕を下ろすとしまえんを紹介する。

としまえんは、運動と園芸を東京市民に勧めるために、当時の財界人の一人であった藤田好三郎が所有していた土地を1926年に公開したのが始まり。当時は、競泳用のプールやボートをこげる池もあったのだそう。その後は池を埋め立て、絶叫系のアトラクションが誕生。また、プールも娯楽を目的としたものに生まれ変わり、世界初の流れるプールも作られた。

長い歴史の中で、多くの人々を楽しませてきたとしまえんだが、そのシンボルと言えるのが『カルーセルエルドラド』だ。これは、機械技師としての仕事からカーニバルに目覚め、後に「遊園地業の王様」とも呼ばれるようになったドイツのヒューゴー・ハッセが1907年に作った回転木馬で、2010年には「機械遺産」にも認定されている。アールヌーボー様式の豪華な装飾はもちろん、木馬や馬車、豚などといった全ての彫刻が木製で、またその全てが手彫りであるというのが特徴だ。

『カルーセルエルドラド』は、1911年にドイツからニューヨークのコニーアイランドに渡り、スティープルチェイスという遊園地が1964年に閉園するまでコニーアイランドの名物として親しまれた。そして、その後日本に渡り、1971年からとしまえんで再び回り始めたのだ。運転を終了し、照明が落とされてからも名残惜しそうに多くの人が写真を撮り続けていた『カルーセルエルドラド』だが、としまえんの閉園後は倉庫に保管されるのだそう。しかし、としまえんを経営する豊島園は、いつになるか分からないが、またどこかで再開できたらと考えている。

閉園を目前に、入園券はすでに売り切れてしまったが、本記事では2020年8月20日に収めたとしまえんの姿をアーカイブする。

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