日蘭交流425年を記念し、両国が長年にわたって築き上げてきた絆を学べる展覧会が「大阪城天守閣」の展示室で開催される。
実は、大阪城が日蘭交流の歴史において重要な舞台であったことはあまり知られていない。1600年、現在の大分県に漂着したオランダの商船リーフデ号は、徳川家康の命によって大阪へと移送されていたのだ。
乗員であったヤン・ヨーステンとウィリアム・アダムスは、家康の外交顧問として迎え入れられ、この出来事は、日蘭関係の始まりとなる大きな転機となり、やがて長崎・出島に「オランダ商館」が建設されることとなった。その後の「鎖国」と呼ばれる時代においてオランダは西洋世界への窓口として重要な役割を果たしたのだ。
同展は、オランダと日本の交流の歴史をもとに制作されたマンガや映像を通じて、子どもや歴史に詳しくない人でも楽しめる内容となっている。さらに、当時の大阪城の地図や書簡、リーフデ号に搭載されていたオリジナルのエラスムス像、輸入品、蘭学の教本や辞書、リーフデ号のレプリカや航海図など、各所から集められた貴重な資料も展示される。歴史愛好家にとっても見応えのある構成だ。
過去から現在へと受け継がれてきた日蘭交流の歴史を、次の世代へとつなげる同展。ぜひ足を運んでみては。
※9~18時(入館は閉館の30分前まで)/料金は1,200円、大学・高校生600円、中学生以下無料