I, Tokyo:アマラチ・ヌオス

国際的な東京人の生活を覗いてみよう

Time Out in association with NHK-World Japan
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この情熱的なライター兼ディレクターは、自らの映画の中でマイノリティー・コミュニティーの体験を描こうとしている。彼女が東京で送る自らのプロフェッショナル・ライフについて語る。

ー日本に来たきっかけは?

最初はまだ幼い頃に、テレビや日本で育った友だちができたことを通して日本文化に触れたことで、この街に移り住む気になりました。その後、東京のファッションや若者文化シーンが大好きになり、自分自身でそれを体験したいと思うようになったのです。

だから、東京で1年間勉強できる海外留学プログラムを見つけ、6つの奨学金を受けられることになった時は、まるで宇宙が最初から私をここに来させるようとし続けていたように感じました。大学3年生の1年間を日本で過ごし、米国の学校に帰って学位を修了した後、日本語の学習とフルタイムのクリエイターとして働くために、今年初め東京に戻って来ました。

私の目標は、世界中の人々の台本のない実生活の視点をさらけ出すストーリーを展開すること。日本には明らかにする必要のある語られざるストーリーがたくさんあると感じていて、私はそれらを語る手伝いをしたいと思っています。

ー東京で暮らす黒人の体験を観察した『ブラック・イン・トウキョウ』などの映画を監督しています。その背後にあるインスピレーションは何だったのでしょうか。

成長する過程で、私はアジアにいる黒人旅行者に関する独創的で刺激的なストーリーや映画をひとつも見たことがありませんでした。だからそのギャップを埋め、あらゆる職業・地位の人々とつながることのできる何かを作り出し、コンフォート・ゾーンから抜け出すことの意義を彼らに示したかった。目標は、人々がその人種や宗教、バックグラウンドに関わらず、外国へ旅行し、そこに住み、最高の自分を具体化することさえできるのだということを、直接その目で見られるようにすること。私は早い時期に、もしメディアの世界で変化を見たければ、自分で作り出す必要があるということに気付いたのです。

ー東京はあなたの映画製作のキャリアを探り、育てるのに適した場所だと思いますか?

ストーリーを記録したり語ったりするのに適した場所とは、歴史や文化に恵まれ、豊富な価値を持つ場所だと信じています。日本にはその全てがある。日本は世界のほとんどの地域から隔離されているため、ここに住む多くの外国人や現地人の社会的体験に関しては、西洋や世界中の他の場所から手に入るメディアのレベルと比べ、最小限のメディアのやりとりしかなかったわけです。その魅力のひとつは、語られざるストーリーを語ることであり、もうひとつは映画撮影にとってのこの街の美しさです。東京の建築物は細部への注意が行き届いているので、ストーリーを語り、人々を視覚的に魅了し続けるための素晴らしい背景となります。

ーもしこの街の魅力的な面を撮影するとしたら、何を写しますか?

それは難しい問題です。東京は広大で、選ぶべき場所がとてもたくさんあります。私は主にファッションをベースとする写真撮影に取り組んでいるので、場所を選定する時は狙おうとしている美的感覚に左右されるだろうと思います。しかし、おそらく秋葉原や中野ブロードウェイ、表参道、新宿に行くことになると思います。たくさんの選択肢を持つ大きなエリアだからです。お台場も大好きです。ほかの街とは異なる独自のウォーターフロントと産業スペースを持つエリアですよね。

ー自分は東京人であると初めて感じたのはいつ?

私はこれまで常に日本の文化とファッションを愛してきたので、この街の若者の間で起こっていたことからすでに大きな影響を受けていました。日本に引っ越してきてまだ2週間も経っていないころに、東京で生まれ育った友人から「もう長い間ここに住んでいるように見える。あなたのスタイルはとても東京らしい」と言われました。「ここは自分が属している場所だ」と感じた瞬間でした。それ以来、とても自信がついたのです。なぜなら、一部の人にとって私はアウトサイダーですが、それ以外では私はインサイダーでもあるからです。

ーお気に入りの日本食は?

ラーメンと餃子、唐揚げ(主に鶏肉を揚げた料理)も大好き。お気に入りの夜食で、東京のどこででも確実に手に入りますよね。焼きそばやチキンかつ丼も大好き。すごくホッとする食べ物だと思う。自炊もしますよ。焼きそばはどんな種類の具でも自分の好きなものを入れられるので、作るのが毎回楽しいんです。

ー最後に、訪日観光客に向けて、この街を楽しむためのインサイダー情報を教えてください。

どの場所にも宝石が隠れているので、偏見を持たずに自分で調べてみること。東京には見どころがとてもたくさんありますが、渋谷、原宿、銀座の一般的な観光名所は身動きが取れなくなりやすい。それよりも、混まない場所を見つけるのが楽しいです。例えば代官山には可愛らしい小さなお店やカフェがあり、六本木では素敵なアートギャラリーが見つかる。もしすでに原宿にいるなら、表参道に向かって進み、COMMUNE 2ndを覗いてみてほしいです。屋外の素敵なバーやレストランが店を出している、小規模なポップアップスペースです。可能性は無限大。探検してみて!

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