I, Tokyo: マテウス・アーバンウィッツ

国際的な東京人の生活を覗いてみよう

作成者: Time Out Tokyo Editors |
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マテウスは、日本のアニメ映画のヒット作に関わっているマルチメディア・アーティスト。東京の街のレトロな一面に魅力を感じている。我々は彼にアニメ・アーティストとしての東京での生活について話を聞いた。

ーアニメーション文化が日本に来るきっかけだったそうですが、アニメアーティストとしての東京での暮らしはどうですか。

東京は、アニメーション、漫画、イラストレーションなどあらゆる種類のアート創作に関心のあるアーティストにとって本当にエキサイティングな場所です。ほとんどのアニメスタジオがここに居を構えるため、仕事をしたり、共同作業したり、訪問したりするのに便利です。出版社との打ち合わせをアレンジするのにも都合がいいです。

私は2度、スタジオジブリを訪れるという幸運に恵まれ、現在は別のスタジオで仕事をしています。秋葉原のような街や大きな書店はポップアートの最新トレンドのショーウィンドーさながら、インスピレーションに満ちている場所です。

ーあなたは日本の昔ながらの店の店構え(『Tokyo Storefronts』)を描いています。街の消えゆく側面に魅力を感じるようになったきっかけは何ですか。

レトロな店を描く仕事は私のプロジェクトのなかで最も目を引くものかも知れないですが、あくまで数ある仕事の一つに過ぎません。今は短編アニメ作品の監督と漫画の制作中です。『Tokyo Storefronts』のイラストレーションシリーズは、この街への愛情から生まれたものです。私は街をぶらぶらと散策するのが好きなんですが、東京には古い「下町」がまだ残っていると耳にして訪ねてみたのです。昔ながらの店舗のレトロで家庭的な雰囲気がとても気に入っていて、そのいくつかを描くことにしました。これがシリーズへと発展して、本の出版へとつながりました。私自身は日本人ではないにもかかわらず、郷愁を感じるほどに惹かれています。

ーあなたはヒット映画『君の名は。』(2016年)制作に背景アーティストとして参加しました。この作品の人気の秘密は何でしょうか? プロジェクトで最も難しかった部分は何でしょうか。

『君の名は。』がこんなに大ヒットした理由は正直分かりません。新海誠監督は以前の作品制作から得たストーリーテリングの知識と経験をフル活用しました。また非常に優れた技術を持つ人材をチームに集め、その一人一人が最善を尽くしたことで成功が導かれたのでしょう。このプロジェクトの一員になれて本当に幸せです。

仕事量の多さは別として、自分自身の描写スタイルを調整して他のアーティストと調和を取ること、そして映画の全体としての美的感覚が始めは難しく感じられましたが、(助けを得つつ)最終的には克服できました。

ー自分は東京人であると初めて感じたのはいつ?

地図を使わずに秋葉原から自宅のある三番町まで歩けるようになったときだと思う。あるいはスマホを見ずに電車に乗れるようになったときかも知れません。ようやく地元民になったと感じましたね。また、毎週のように食べに行く行きつけの店が出来た時にも実感がわきました。

ー東京に「かわいい」を感じますか?

東京はいたるところにかわいい宝ものを隠し持っているのが魅力です。あちらこちらにある小さな神社、曲がり角にある可愛い店やカフェ、日本庭園や川。私が好きなのは古い看板、倉庫として使用される建物と建物の間にある狭いスペース、バスの停留所に無造作にならぶベンチ、そして人間の存在です。圧倒されることもあれば、癒しを感じることもあります。

ー東京以外の都市をひとつだけ選んで描くとしたら、どの都市を選びますか。

それほど多くの旅をしているわけではないですが、スコットランドのエジンバラに滞在したことがあり、多くの見どころを抱えた美しい街と記憶しています。いつかまた訪れて古い石造りの建物を描きたいと思っています。

ー最後に、東京を訪れる予定の旅行者に何かアドバイスは?

旅行者向けに整備された場所も楽しいかもしれないが、自分自身で街を探索するのがおすすめです。東京(そして日本)で私が経験した最高の冒険のほとんどは、計画なしに面白そうな場所を訪ね、そこで人々と触れ合い、普段より少し深く探検したときです。

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