SAKE COMPETITIONに見る、日本酒の今

酒選びの参考にも?世界的品評会の受賞酒をレポート

作成者: Miroku Hina |
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SAKE COMPETITION2019 純米大吟醸部門 受賞酒蔵代表

各地で日本酒イベントが開かれ、地酒にこだわった店が増えるなど、日本酒ブームの昨今。日本酒好きでも、数々の銘柄に加え「純米吟醸」「大吟醸」など種類も多岐にわたる日本酒を前に、何を飲めば良いのか迷う人も多いだろう。

そんな時に参考になるのが、年に一度開かれる世界的な日本酒の品評会「SAKE COMPETITION(以下、サケコンペティション)」だ。7回目の開催を迎えたこの品評会は年々拡大しており、今年は国内外の426蔵から1919点もの日本酒が出品された。

今回はそんな「日本酒のミシュラン」でベスト3にランクインした酒を紹介しつつ、6月10日にザ・ペニンシュラ東京で開かれた授賞式と日本酒トレンドをレポートする。受賞蔵の代表らが語った熱い言葉とともに、注目の酒をチェックしてほしい。

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【純米酒部門】 出品数495点 

1位 宝剣 純米酒 レトロラベル(宝剣酒造:広島県)中

2位 美丈夫 特別純米酒(濵川商店:高知県)右 

3位 宝剣 純米酒 広島夢酵母(宝剣酒造:広島県)左 

まずは日本酒のスタンダードともいえる純米酒部門。広島県の宝剣(ほうけん)酒造の酒が1位と3位にランクインした。近年では、キンキンに冷えた香りの良い酒をワイングラスで楽しむような飲み方が増えているが、宝剣はまさにその逆だ。

審査員から「香りが華やかな酒よりも、抑えめで料理を引き立てるような出品酒が増えている」というコメントがあったが、酒蔵の意識も原点回帰しているのかもしれない。

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受賞した宝剣酒造の土井

授賞式で宝剣酒造の蔵元杜氏の土井は、酒造りに対する熱い思いを語った。

「宝剣酒造は香りや甘みが立つような派手な酒ではありません。華やかな酒が好まれたこの34年は苦しみ、麹(こうじ)や酵母を変えて香りや甘みを出した酒を造ることも頭によぎりました。しかし、それをやってしまうと負けだなと。

やはり、辛口の食中酒として飲んでいただける自分の酒で勝負をしたかった。だからこそ、宝剣の原点ともいえるレトロラベルで1位を取れて本当に嬉しいです」

苦労がありながらも、信念を曲げずに造り続けたからこその受賞。登壇した土井の目には涙が浮かび、知られざる酒造りの舞台裏を垣間見た瞬間だった。

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【純米吟醸部門】出品数578

1位 飛露喜 純米吟醸(廣木酒造本店:福島県)左

2位 磯自慢 純米吟醸(磯自慢酒造:静岡県)中

3位 鈴鹿川 純米吟醸(清水清三郎商店:三重県)右 

続いては、フレッシュで華やかな香りと、繊細な味が特徴の純米吟醸部門。

近年は冷酒ブームもあり、特に純米吟醸に力を入れている酒蔵も増えている。しかし、さすが受賞酒には人気の高い著名な酒蔵が名を連ねた。どれも華やかで、米の甘みがクリアに感じられる美酒ぞろいだ。

公平を期すため、銘柄を隠して審査員に味のみで評価される品評会において人気酒蔵が選ばれるのは、ブランド名の力ではなく味の良さで勝負できていることが裏付けられる。

これらの酒は今非常に人気が高く、酒屋やネットショッピングなどでは手に入りにくいだろう。地酒に力を入れている飲食店などで見つけたら、飲んでみて損はない。

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純米大吟醸部門の受賞蔵代表

名だたる酒蔵が受賞した2019年度のサケコンペティション。気になる日本酒はあっただろうか。

近年は、希少な酒を提供している店も多い。「店で酒を選ぶ」流れから、目当ての酒を求めて「酒のために店を選ぶ」流れもおすすめだ。今年度の受賞結果(外部リンク)などを参考に、新しい日本酒との出合いを開拓してほしい。

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