2012年11月のオープン以来、今でも連日賑わうSarabeth'sだが、ポーチドエッグの美しいフォルムと完璧な火入れ、上品な酸味で滑らかな仕上がりのオランデーズソースは、さすが女王の貫禄といったところ。付け合わせがハッシュブラウンではなく、シンプルなグリーンリーフのサラダというのも、ヘルスコンシャスなアッパーウエストサイドらしいスタイル。自家製スモークハムを使った、定番の『クラッシック エッグベネディクト』も美味だが、スモークサーモンのエッグベネディクトもおすすめ。NY本店と比べてしまうと商業ビル内の店舗だけに、客席同士の間隔が近すぎて、落ち着いて食事ができないのが玉に瑕ではあるが、それでもやっぱり美味しいのだからしょうがない。
『エッグベネディクト』といえば、アメリカではブランチメニューの定番ともいえる卵料理。トーストしたイングリッシュマフィンに、ポーチドエッグ、カナディアンベーコンを載せ、オランデーズソース(卵黄とレモンの絞り汁、溶かしバターを合わせた、コクと酸味を味わうソース)をかけるのが一般的だ。ベーコンの代わりにハムやスモークサーモンを使ったり、ほうれん草やアスパラガスなどの野菜を合わせたりと、素材の組み合わせは店や作り手によってさまざま。しかし、どんな組み合わせであっても、エッグベネディクトの肝となるのは卵の火入れと、オランデーズソースの質。ホテルのダイニングであれば比較的どこでもエッグベネディクトに出会えるが、ここでは比較的小規模な店を中心に、スタンダードなエッグベネディクトから、オリジナリティ溢れる変わり種エッグベネディクトまで、東京都内で美味しい一皿を味わえる店を10軒紹介する。
※2015年5月18日に情報アップデート