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タイムアウトが国際女性デーに合わせて紫色になったわけ

タイムアウト グローバルの編集長キャロライン・マッギンによるステートメント

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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2021年3月8日(月)の国際女性デーを応援するために、タイムアウト全世界のウェブサイトが紫色になった。ここでは、その理由を伝えたい。

本来ならば驚くべき統計を知らせ、女性たちを祝っているにもかかわらず、ジェンダーの平等は、その実現に向けての進展はあまりにも遅々として進んでいない、ということをこれまでにも伝えてきた。

少し個人的な話をすると、今、私はキッチンのテーブルでこの記事を書いている。このテーブルは、私が去年から毎日子どもたちに料理を作り、後片付けをしてきた場所だ。仕事のデスクでもあり、夜遅くまで執筆や編集もここでしてきた。

私の一日には三つのするべきことがある。育児、掃除と料理、そして、私の仕事であるヘッドワーク、ハートワーク、ハンドワークだ。睡眠時間も遊びの時間も少ないが、私は幸運で恵まれた世界の女性の一人だと思っている。仕事と給料、家、そして共感してくれる上司がいるからだ。新型コロナウイルスの薬を手に入れることができ、近々ワクチンも手に入る。

新型コロナは世界中の女性を最も苦しめたが、有色人種の女性が最も苦しんだと言えるだろう。また、アメリカで新型コロナの影響で職を失った人のほとんどが女性だった。

女性は日々の生活で高齢者や病気の親族を無給で介護をする可能性が高く、家庭教育や家事の大半を女性が担う。福祉関連の仕事をする女性も多いが、給料はあまり高くないという場合がある。

愛、共感、ケア、育児は、女性的なものとして認識されているため、公式の文化や労働慣行から排除されたり、最小限に抑えられてきた。私たちの社会は、スプレッドシートや電子メールよりも、尻拭きや思いやりを大切にしてきた、にもかかわらずだ。

そして、昨年から今年にかけて、新型コロナは仕事と生活の間の壁をブルドーザーのように壊した。それは隠された労働時間を長くし、Zoomでの呼び出しなどで仕事ぶりを見えるようにした。これは面倒なことであったが、その反面、違った生き方や働き方に挑戦する機会になった。

個人的には、女性が評価される世界を見たいと思っている。共感と寛大さが弱みではなく、強みになるような世界。男女を問わず、起床時間中に子どもに会えないという人がいない世界だ。また、金曜日の18時30分までオフィスにいて、その後、入院している親戚を見舞うために遠方まで混雑した列車に乗り、ぬるめのワインを飲みながら痛みを和らげるような人がいない場所である。

この話は、私自身の生きた経験から生まれたものだ。もちろん、2021年に女性であることの鮮明で特別な経験はほかにもたくさんある。

タイムアウトが年に一度だけでなく、毎日、そして世界中で、並外れたクリエーティブな女性をたたえていることを誇りに思う。

女性たちに感謝をしよう。

キャロライン・マッギン(タイムアウト グローバル編集長)

原文はこちら

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