パケモンテ
Photo: Keisuke Tanigawa

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木八幡にオープン

独自の特殊製法で作り上げる多層パイ生地

テキスト:
Kumiko Nakakuki
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パリで再注目を集める伝統菓子で、日本においても次なるトレンドスイーツになると予測されるフランス伝統菓子「フラン」。カスタードに似たフラン液をタルト生地などに流して焼き上げた菓子である。2023年に「伊勢丹新宿店」でのポップアップイベントを成功させ、ブームの火付け役と目されるフラン専門店「パケモンテ(PAQUET MONTÉ)」が2024年2月1日(木)、代々木八幡に実店舗をオープンする。

同エリアにあるカフェ「プルミエメ(PREMIER MAI)」の姉妹店で、「ホテルインターコンチネンタル」や田園調布「レピドール」などで研さんを積んだ本田珠美がシェフパティシエを務める。

パケモンテ
Photo: Keisuke Tanigawaイートインスペースはワンドリンク制。プルミエメにも持ち込める

2階建ての一軒家をリノベーションした店舗は、1階フロアにオープンキッチンとスタンディング形式のカウンター席、2階フロアにはパイ生地製造の専用ラボと予約制のプライベートスペースを設けた。テラスにある3つのベンチでも飲食できる。春が訪れたら近隣の代々木公園で楽しむのもいいだろう。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa2階にある予約制のプライベートスペース(利用料3,000円/1時間半)

カウンターやテーブルにはアルバニア産の大理石を使用するなど、店内には高級感が漂う。

オーナーの鈴江恵子は「フランは、フランスでは多くのパティスリーやベーカリーで販売され日常的に親しまれていますが、素朴過ぎるせいか、日本ではまだ知られていません」と話す。日本で展開するに当たっては、華やかさをプラスすることで「よそゆきのスイーツ」として認知を広げていく狙いだ。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa

フランスのトップパティシエ間でトレンドの「多層生地」を独自開発

商品は、2月下旬まで4種類、3月以降は3種類を提供予定だ。定番商品は「バニラ」(900円、以下全て税込み)で、そのほかは毎月新しいフレーバーが入れ替わる。2月の期間限定商品は「チョコレート」(1,000円)と「いちごと柚子」(1,000円)、食事系として「ほうれん草」(1,100円)が用意されている。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa| オーナーの鈴江恵子(左)、シェフパティシエの本田珠美(右)

同店が作るフラン最大の特徴は、多層に重ねられた筒状のパイ生地だ。多層の生地はパンやスイーツなどで見られ、フランスではトップシェフたちを中心にトレンドとなっている。

パイ生地を高く立ち上げる特殊な製法は、「日本ではまだ誰もやっていなかったので、レシピや製法を完成させるまでに半年以上かかった」と本田は話す。ブレンドする小麦粉の選定や量の調整、温度、機材選びなど、いちから検証した。層を高く立ち上げるためには生地を十分に寝かせる必要があり、生地の仕込みだけでも4日間はかかるそうだ。 

パイ生地に流し込むフラン液はシンプルな材料で構成されるため、食材自体の鮮度や味わいが重要となる。同店では、宮崎県の養鶏場から直送される新鮮な卵やゲランドの塩、フランス産発酵バターなど厳選した食材のみを使用。口に運ぶとプルンとした食感とともに、雑味のない濃厚なコクやうまみが広がる。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa左から定番の「バニラ」、2月限定「いちごと柚子」「チョコレート」「ほうれん草」のフラン

期間限定の「チョコレート」には、クラフトチョコレート専門店「ミニマル」のものを使用。チョコレート本来の味わいや風味を生かすため、フラン液と混ぜ合わせる際に最適な温度帯をキープするなどこだわっている。「イチゴ」は見た目のかわいさに加え酸味と甘さのバランスも絶妙で、高い人気を呼びそうだ。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa「ミルク」と「みかん」のジェラートをトッピング

イートイン限定で、自然派ジェラート専門店「ファン アイス(fun.ice)!」が手がけるジェラート(2種800円、1種400円)もトッピングできる。なお、月ごとにフレーバーは変更される。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa「ほうれん草」に「ポーチドエッグ」を追加

唯一の食事系フランである「ほうれん草」は、今が旬の群馬産「ちぢみほうれん草」をふんだんに使用し、隠し味のターメリックや塩で食材の味わいを引き立たせている。濃厚で食べ応えがあるので、朝食として味わうのもいいだろう。食事系フランにはイートイン限定で「ポーチドエッグ」(400円)が追加できる。

上記商品のほか、パイ生地に米粉や玄米粉を使ったグルテンフリーのフランも週末限定で登場予定だ。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa

またフードロス対策として、常時3種類の焼き菓子も販売する。シナモンの香りをまとった渦巻き型の「パルミエ・パイ」は、カソナードのザクザクとした食感も魅力で、ついつい手が止まらない。

日本初、フランス伝統菓子「フラン」専門店が代々木上原にオープン
Photo: Keisuke Tanigawa自宅で味わう際はトースターでリベイクすると、パイ生地のサクサク感が復活

フランス伝統の三角包み「パケモンテ」は手土産にも最適

包装には、フランスの伝統的なパッケージング「パケモンテ」を採用した。鈴江がフランスで暮らしていた際、紙とひもだけで作れるというエコロジーさや、見た目のかわいらしさにひかれたという。紙は耐油性で、食べる際はランチョンマットとして活用できる。

将来的にはフランスで開催されるフランコンクールへの出品も視野に入れており、本場からも注目される日本発のブランドを目指す。フランスと日本の両方の良さを詰め込んだ、こだわりの「フラン」をぜひ味わってみてほしい。

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