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バレアリックを流して25年、イビサの伝説DJを追った映画が公開

ジョン・サ・トリンサの「バレアリック的生き方」を描いた作品

テキスト:
Hanako Suga
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スペインのバレアレス諸島州に属するイビサ島は、世界有数のリゾート地であり「パーティーピープル」が集まるナイトライフの聖地だ。世界的に有名なDJが集まる現在のイビサ島で主流となっているのは、EDMやテックハウスなど、エンターテインメント性のあるアッパーなクラブミュージック。

しかしイビサ島がクラブ文化のメッカと化したのには、1960年代から根付くヒッピーカルチャーや、1980年代に移住して来た英国人DJたちの活躍など、さまざまな時代背景がある。そして、イビサの音楽シーンを語る上で欠かせないのが「バレアリック」だ。

バレアリックと言われて思い浮かぶのは、夕暮れのビーチに鳴り響くチルサウンド。実際、バレアリックとは音楽ジャンルではなく、そのイビサ島にある自由な雰囲気や叙情的なムードのことを総じて呼んでいる。そんなバレアリックサウンドをイビサの地で25年にわたり音楽を奏でているDJ、ジョン・サ・トリンサを追ったドキュメンタリーフィルム太陽と踊らせてが、2021年7月から公開される。

舞台となるのは、イビサ島の最南端に位置するサリナスビーチ。1987年にロンドンでDJキャリアをスタートさせ1994年イビサ島へ移住したジョンは、サリナスビーチにある小さな海の家で今もDJ活動を続ける。正午から夕日が沈むまでの8時間彼がDJブースで流すのは、アッパーなパーティーミュージックではなく、ジャンルレスなバレアレスミュージック。本作には、「音楽は人々を恋に落とすことができる」と語るジョンの、自由奔放かつチャーミングな生き様が描かれている。

監督を務めたのは台湾生まれ、新宿歌舞伎町育ちのリリー・リナエ。クラウドファンディングで資金集めをしながら約3年をかけて、初の長編である本作を作り上げた。イビサ島とジョンの人間性にほれ込んだ監督が、この島がなぜ「自由の楽園」と呼ばれるようになったのか、イビサの美しい風景にみずみずしいバレアリックサウンドを織り交ぜながら描き出す。

『太陽と踊らせて』は、2021年7月24日(土)から新宿K’sシネマ、アップリンク吉祥寺などで全国順次公開。ジョンのDJセットを聴いてみたい、という人は彼のサウンドクラウドをチェックしてみよう。

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