ブルックリンのダウンタウン地区が「カーフリー」ゾーンに

2030年までに歩行者に優しい公共空間を創出

Shaye Weaver
テキスト:
Shaye Weaver
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ニューヨークのブルックリンでは、ダウンタウン地区の一部を歩行者にとってより歩きやすく、快適な「カーフリー」ゾーンとして劇的に改善するプロジェクトが進行中だ。最近、プロジェクトの完成予想図が公開された。

『Downtown Brooklyn Public Realm Action Plan』というこのプロジェクトを主導しているのは、Downtown Brooklyn Partnership(DBP)。彼らの計画では、ウィロビー・ストリートとシャーマーホーン・ストリート北側の間とフルトン・モールの南側が再開発され、歩行者優先の道路、新しい公共エリア、そして多くの緑が増える予定だ。

DBPはプロジェクト実施に当たり、ニューヨーク市の運輸局(NYC DOT)、公園局(NYC Parks)、そして50人以上のメンバーから成る運営委員会と協力している。プロジェクトでは、ダウンタウン地区の街路をより多くの歩行者が利用できるものへと再生。人と環境を優先した公共空間を創造している場所として、この地区がニューヨーク市全体リードしていく存在になることを目標にしている。

Downtown Brooklyn renderings
Photograph: courtesy Downtown Brooklyn Partnership

DBPによると、2004年に行われた区画整理以降、ブルックリンのダウンタウン地区は人口が増加。それに伴い新しい事業者が生まれて仕事が増え、複合的な地域に成長した。しかし現在の道路は歩行者、自転車、公共交通機関の利用者など、その利用者たちの役に立っていない面もあるという。さらに行政区全体で見ると、ブルックリンではニューヨークにある5つの区の中で最も人口が増えていて、シカゴと並んでアメリカで3番目に大きな都市になっているというのだ。 

Downtown Brooklyn renderings
Photograph: courtesy Downtown Brooklyn Partnership

プロジェクトが提案している具体的な改善案は以下の通り。

・コロンバス・パーク、アルビー・スクエア、フリート・ストリート、ユニバーシティ・プレイスを、人々が集う魅力的な公共空間に変える。

・NYC DOTにより改善されるブルックリン橋とつながるアダムス・ストリートを、複数の用途を持つ大通りとして再整備。ほかの場所との接続がよく、安全な自転車道路網を構築。通勤者がマンハッタンとの間を安心して行き来できるようにする。

歩道を拡張し、縁石のない歩行者優先道路網を作ることで、ダウンタウン地区の中心部を歩行者が過ごしやすい場所にする。

地面置きや高さのあるプランターに1000本の木を新たに植え、グリーンウォールやレインガーデンを街に組み込む。そのことで大気の質を改善し、ヒートアイランド現象を軽減していく。

フルトン/リビングトンのバスネットワークを再評価し、効率性の最大化、混雑の緩和、歩行者の利便性の向上のためのルート調整を行う。

このプロジェクトは今後、ニューヨーク市、地域のBID制度、民間の資金からの支援を受けて、現在と今後想定される課題に取り組み、2030年までの実現を目指している。

原文はこちら

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