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パブリックアイ かまやつひろし

都市に息づく人々の目を通してみた東京

テキスト:
Akiko Toya
パブリックアイ かまやつひろし
写真:道辻麻依
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*2010年01月08日(金)掲載 オーバカナル 紀尾井町にて

—今日はここで何をしているんですか?

僕は近所に住んでいて、しょっちゅう来ているカフェなんです。スタッフも友達でね、今日は仕事前に寄りました。 —お仕事は? ミュージシャンです。

—仕事前に赤ワインを!?

ここに来ると、いつも赤ワインかシャンパンをたのむんです(笑)。夜来る時は食事をするんですよ。

—お気に入りのメニューはありますか?

アンディーブのサラダとフォアグラのテリーヌ、魚のスープ。あとエイひれかな。

—どうしてこの辺りに住もうと思ったんですか?

なんとなく。今から40年前に家内が探してきたの……。皇居の側は水がいい、って噂なんですよ。

—ホントですか!?あの辺りで働いてましたが、水が美味しいと感じたことはなかったです

ホント?じゃあ、違うのかな(笑)。

—ロンドンやパリ、海外の街と比較して、東京の面白さとはどんなところですか?

坂が多いじゃないですか、東京って。うちの家のまわりも坂だらけなんですけど、坂があるところが好きなんですよ。あと、日本中あるいは世界中からいろんな人が来ているから、いろんな文化に触れることがきる。だから、ホットですよね、ホット。

特にこの数年は全盛期のロンドンとかパリとか、イタリアのミラノみたいな感じもあるし。この間もこの店で飯食ってたら、ジョルジオ・アルマーニがいたりとか、指揮者の小澤征爾さんが家族の皆さんでいらしていたりとか、楽しいじゃない。音楽業界の連中も多いしね。

—ここが変わればもっといいのに、と思うところはありますか?

がんがん新しい高いビルが建っているけど、あれはやめた方がいいと思う。あんまり高層ビルって好きじゃないんですよ。昔からの町並みみたいなものがそれによって壊されていく感じがしてね。だから、レストランでも、地下1階か、地上1、2階のところにしか行かない。

高層階に美味しいレストランがありますと言われて、1度は行くんだけど、2度は行かない。リピーターにならないんだよね。

—このお店も1階ですよね

そう。ここはね、目の前が公園で緑が多いでしょ。パン屑なんかが落ちて、すずめが入ってきたりするのよ。そんなところ他にないじゃない。

—パブリックアイの記念すべき1回目なので、最後にタイムアウト東京にメッセージをお願いします

ひとつ、タイムアウトで東京を面白くしてください! これ、すごくいい締めの言葉だったよね?(笑)

僕にとってタイムアウトって名前は、60年代からあって、すごく懐かしいというか、古い友達に会ったような気がするの。とても大切なもので、わくわくする。

東京はやっぱり、いろんな音楽が入ってくるところでしょ。いろんな音楽があるから、何をやって良いか迷う人が多いんだけど、自分でやるカテゴリーを決めていく楽しさはあるよね」 「僕は自分の選択として、ブルーズをやることにしたの。決めたの!

場所:オーバカナル 紀尾井町

撮影:道辻麻依 インタビュー:東谷彰子

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