デビュー10周年 新しい学校のリーダーズは日本文化を熱放射する

自分たちを日本食に例えると「おでん」

Genya Aoki
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新しい学校のリーダーズ
Photo: YOSHIHARU OTA左から時計回りにRIN、SUZUKA、KANON、MIZYU

SUZUKA、MIZYU、KANON、RINの4人組による「新しい学校のリーダーズ」は、2015年に結成されたダンスボーカルユニット。セーラー服を模した衣装と、全てメンバーが考案したエネルギーとクリエーティビティの塊のようなダンスパフォーマンスが特徴的だ。

2021年には「88rising」と契約、2023年にリリースした『Tokyo Calling』は国外で人気を集め、ロサンゼルスやニューヨーク、メキシコシティなどでのライブ映像では、会場中がシンガロングしている様子を見ることができる。2024年には世界的な音楽フェス「Coachella」に出演するなどグローバルに活躍している。

「青春日本代表」を自称し、「個性や自由ではみ出していく」をテーマに、型にはまらない個性を武器に世界で活躍する彼女たちが、デビュー10周年の節目に胸中を語った。

―デビューから10年を迎えて、ファンとの関わり方に変化はありましたか?

SUZUKA:本当に10年の中でファンの皆さんとの関わり方が変わりました。初期の頃は自分たちだけが面白いと思うこと、楽しいことをやっていて、10人に1人刺さればいいっていう気持ちでずっとライブをしていました。そこから関わっていく人が増えて、応援してくれる方が本当に増えて、私たちから生み出されるもので時にはファンの人たちの人生が変わることを知りました。それからは、ライブや曲作りといったクリエーティブな面で重たくない、いい感じの責任を感じるようになったんです。

また、2025年に公開された映画『青春イノシシ ATARASHII GAKKO! THE MOVIE』では、ファンの皆さんが私たちを通して何を受け取っているのかを知って、心が打ち抜かれるような感覚を覚えました。そんな思いで私たちのライブに来てくれていたんだとより深く知ることができたんです。

KANON:ライブでも昔に比べて、お客さんからのリアクションが大きくなっていて、4人が「これヤバいでしょ」という気持ちで披露したパフォーマンスに対して、ちゃんと「ヤバい」と返ってくるみたいな、深い部分で意思疎通ができてると感じます。お客さんがちょっとずつ私たちみたいになっている感覚があって。だから今は、みんなともっとライブを楽しみたい、この気持ちを共有したいと思うようになっています。

―海外からの評価をどう捉えていますか?

KANON:海外に行き始めてから「エナジーがいいよね」と言われることが多くなりました。確かにエネルギーはある方だと思っていましたが、意識してどんどん出すようになりました。

SUZUKA:もともと私たちは教科書通りにとか、普遍的にとかが多分とても嫌いで、だから、その時にしかないエネルギーを生み出したいという意識が強いんです。ライブも作品作りもそこにちゃんと4人のエネルギーが注がれたものでありたい。毎日毎日、ちゃんと全力で楽しんでいきたいんです。

MIZYU:日本で私たちは「学生」のイメージが強いのですが、海外から見るとアイコニックなアートとして受け取ってくれているのを感じます。

―日本文化を意識するようになったきっかけは?

KANON:海外での活動を通じて、日本のカルチャーやスタイルがとてもリスペクトされているのを再認識しました。そこは楽曲だったり、クリエーティブな部分でも、日本の伝統的な要素と私たちとをどう掛け算できるかはよく意識しています。

RIN:初めてアメリカでライブした時に、いつも私たちがやっている「休め・気をつけ・礼」や、組み体操を取り入れたパフォーマンスにすごく盛り上がってくれて。日本だと日常的な文化が「ならではのもの」だったと海外に行って初めて気づきました。そのクラシックさと、自分たちなりの新しいチャレンジを掛け算しています。

SUZUKA:アルバム『AG! Calling』では和太鼓や袴風の衣装を取り入れた演出をしたり、『Omakase』『Tokyo Calling』といった楽曲でも、日本のカルチャーと自分たちらしさを掛け合わせたりしています。

日本食に自分たちを例えるなら「おでん」

―海外ツアー中の食事で、恋しくなった日本食はありますか?

全員:お米!

SUZUKA:以前ヨーロッパツアーで、11日ほど日本食ゼロの生活をしていたら、4人とも白米欲しさにリアルに体が震えてきてしまって(笑)。やっと見つけて駆け込んだ日本食料理店が光り輝いて見えました。

RIN:それから長期の海外ツアーの時は、バスに炊飯器を積んで、一緒に納豆とかも冷蔵庫に詰め込んだ状態で出発しています。1日に2回は炊いてますよ(笑)。現地でお刺し身を買って、海鮮丼にして食べていました。

―自分たちを日本食に例えるとすると?

おでんです。おでんの具のように四者四様の個性を持った4人が、その時々のベストな配置になるよう、常にフォーメーションを変えています。そして、熱々のおでんのダイコンより熱いライブをしているからです。

ーそれぞれ何の具材ですか?

KANON:MIZYUはもち巾着。中身が詰まってる感がすごくて、簡単にはかみちぎれなさそうだから。

SUZUKA:私はゆで卵。 白身が好きだけど黄身は嫌いなんです。それらが共存している、いろんなものが共存してるっていう人間っていう。KANONは糸こんにゃく。透明感があって妖精感がありそうだけど、渋い男らしさみたいなものもあるから。RINは牛すじ。髪形がぽいから(笑)。

―(笑)。最後に今後の展望を教えてください。

「個性や自由ではみ出していく」ことを、自分たち自身が真剣に心の底から、体の底から楽しみたい。それを、日本だけではなく、地球を舞台にさまざまな人間と共有したいと思っています。

全国・海外ツアー「新しい学校はすゝむツアー」を2025年12月まで開催中。同ツアーは、全く同じライブは二度とない」という信念の下、国内公演としてはグループ初の「全編動画撮影可能」なライブツアーだ。チケットは各種チケットサイトと、ローソン・ミニストップの店頭で購入できる(一部完売)。詳細は公式ウェブサイトで確認してほしい。

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