インタビュー:小池百合子

都知事の考える2020年、東京大改革とは

 

 
インタビュー:梅澤高明
 

2020年に向けて、都知事としてどんな目標をお持ちですか。また、東京を世界にどう打ち出していかれるかをお聞かせください。

最近の様々なランキングを見ていますと、たとえば森記念財団の調べでは東京は去年の4位から3位へとひとつステップアップしました。目標としては、この指標で1位になることです。なぜ東京がランキングを上げたかはいろいろと理由があると思いますが、安全だということもあるのではないでしょうか。災害のポイントはありますが、多くの方々は日本は安全という意識が高いということでしょう。 

そして、日本食の人気が非常に高まっていることだと思います。ラーメンはもともと中国圏のものですが、日本風にアレンジしたり、カレーだってすごいですよね。ある意味で日本は、ほかのものを受け止める力がすごく強いのだろうと思います。

しかし、意外と日本人は、東京にいかに宝物が転がっているかにあまり気づいていません。どんな宝物があるのか、それをどう磨いて、伝えていけばいいのかを、都知事として旗振り役をしていきたいと思っております。 

ー3つの政策「スマートシティ」「ダイバーシティ」「セーフシティ」を掲げていますが、「スマートシティ」の重点についてお聞かせください。 

スマートシティのコンセプトは主に2つあります。金融と環境です。金融については、私が1990年代はじめのころまでテレビでキャスターをしていたとき、株価でいうと3万円とか2万6千円とか、一番高いときも、3万9千、3万8千975円でした。当時は東京、ロンドン、ニューヨークが3極だったのが、このところシンガポールや、上海、香港といったところに分散されています。再度、アジアのハブは東京だと言われるように金融の機能を高めたいですね。

これについては、インターナショナルスクールや、ヘルパーを確保しやすい環境、英語でのワンストップサービスなどを行うことで、たとえば東京で起業したいと考える、金融を取り巻く高度な人材の方々に東京で仕事をし易くしていきたいです。そのために必要な課題は、特区制度を最大限利用して解決していきたいと思います。これをどのような形にしていくのか、前の東京証券取引所の社長をはじめとする方々と協議をして、アジアにおける、もしくは世界における金融最先端都市にしていきたいということです。 

そして、環境ですが、東京では地球温暖化対策で排出量取引など先進的なことをやっています。以前に環境大臣を務めていたこともあるので、より一歩前に進めさせたいと思っております。そのなかで先ほどの金融と絡む話なのですが、自治体として初めてグリーンボンドを出す準備をしております。環境と金融を合わせるとシナジー効果が必ず出るので、そういった方法を進めたいと思っております。

ー東京を世界一の都市にするために、解決すべきことは何でしょうか。

基本的には海外から来た方々の目線が足りないと思います。表示ひとつをとってみても、全部ローマ字表示で、日本語をそのままアルファベット化しているだけなので分かりにくいですよね。たとえば、国が持っている標識、都道府県、区市、それぞれの英語表記の方法を統一すべきではないかということがあります。そのことについては連携は取られつつあります。リビアに行きますと、アラビア語表記以外は禁止なので、何がなんだか分からないわけで。むこうは意図を持ってやっているけど、日本は意図を持たずに、結果としてそうなっているので、逆にインターナショナルな意図を求めるということです。

東京には、世界中から観光客が来ているので、表記の言語をひとつずつ増やしていったらキリがないので、そこでITですよ。ロンドンオリンピックを経て、イギリスが戦略的にIoTを進化させました。2020年の東京大会を成功させるには、このIoTの部分を強化していくということをぜひ進めていきたいです。 

イギリスの場合は、特にテレワークが進みました。電車が止まるとみんな文句を言いますが、テレワークを止めたら、それ以上に文句が増えるくらいイギリスは進んだと言います。競技会場の次はそういう見えない部分にあるソフトの整備、システムの整備をやっていくことかなと思います。 

“Yuriko

ーダイバーシティ、特に女性の活躍についてはどんなお考えでしょうか。 

実は様々な制度がすでにありますが、意識改革が何よりも重要です。育児休業制度を活用している女性は9割、それから男性の育児休業制度の活用は、史上最高と言っても2%で話にならないんですが……。育児休業制度を活用しているのは9割ということで成功しているように見えますが、その企業に残らずに辞めてしまうので、その育児休業制度の恩恵に授かれる人は少ないという問題もあります。 

よって、9割という数字はまやかしと考えていて、そのためには子育てしやすい環境や、待機児童対策はもちろんのこと、そもそもの働き方から変えることが必要です。これがテレワークにもつながってくるわけです。先日、世界経済フォーラム(WEF)が発表した女性のジェンダーギャップ指数で日本は、111位に下がりました。つまり、日本はいろいろと試みてはいるけれども本質のところには届いていないように思うんですね。 

そして、やはり意思を持つことです。都庁の女性比率は、職員は39.5%、管理職は19.3%です。女性管理職を特殊ではなくて、普通にしていきたいです。そして今、都庁では20時退庁というのを徹底をしつつあります。これは仕事を翌日に残すということではなく、仕事のやり方から見直すことを進めています。まあ、20時に電気を消してまた付けるっていうのも聞いていますけれども(笑)。クールビズと一緒でみんなで進めるっていうことです。せーのでね。 

ー様々な重要課題に国に先駆けて取り組むことで、東京都が日本全体のロールモデルになるということですね。

国際競争力で大体上位を占めるのは、ノルウェーとかフィンランドなど北欧の国だったり、シンガポール、香港、ニュージーランドです。共通しているのは、人口が約500万人ということです。つまり国でマネージメントがしやすいんだと思います。TPPのニュージーランドの例や、北欧の子育てについての政策がありますが、日本は1億3000万人かつ、GDP世界第3位の国なので、国際競争力でさらに上位になるために小国の真似をしても意味がないということでやらないんです。しかし、東京の人口は約1362万人で、スウェーデンは約1000万人ですから、ほぼそれと同じことをやれば、限度はありますが、社会保障制度の充実など、東京で成功していけばそれは日本に広がると思います。 

ー東京で一番好きな場所、海外の友人が来られたときにおすすめするレストランを教えてください。

さっきも都庁の一番上から見ていて、明治神宮はやはり偉大だと思いました。あそこに行くと心洗われるような気がします、都会の真ん中にあって、とても心安らぐ場所ですね。それから、海外からお客様が来たときには、銀座の焼き鳥屋「武ちゃん」に連れて行きます。ここで食べたらほかの店では食べられないほど最高です。私のカレンダーも飾ってありますけど、本当にカウンターと小上がりがあるだけの小さな店で、美味しくて、雰囲気がある。フレンチの老舗に行くよりはそういう方がいいと思って。武ちゃん、おすすめです。

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