誰でも走れる、新豊洲のランニングスタジアムとは

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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2020年の『東京オリンピック・パラリンピック』開催を控え、ホテルや商業施設建設のほかにも、東京を中心に障害者や高齢者、海外からの旅行者に向けて、鉄道駅、空港における複数ルートのバリアフリー化や、各駅へのエレベーター設置などが進んでいる。

そんな最中「東京ベイゾーン」と呼ばれる未来の都市開発モデルとして、大規模なタワーマンションの建設や交通インフラの整備が行われている豊洲エリアに「すべての人に、走り、体を動かし、自分を表現する喜びを!」をコンセプトとしたスポーツ施設「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」が2016年12月10日(土)にオープンした。

同施設は、館長でもある元プロ陸上選手の為末大が、新豊洲の街づくりについて自由な意見交換の場として2014年に発足させたTOYOSU会議を通じてこの街で何かできないかと考えた結果、健常者、障害者問わず、多くの人に走ることの楽しみを提供する場所としてオープンさせた。

木の温もりを感じさせるランニングスタジアム内は、完全バリアフリーで、屋内型、国際基準を満たす60m陸上トラックがあるほか、サイボーグ義足やトップアスリート向け競技用義足などを開発している会社「Xiborg(サイボーグ)」、『リオデジャネイロ パラリンピック』閉会式の引き継ぎ式でのパフォーマンスでも話題を集めた、年齢、性別、国籍、障害の有無などの区別なく、共同でアートパフォーマンスを作り上げるNPO法人「SLOW LABEL(スローレーベル)」が拠点を置いている。

館内自慢の更衣室には、車イスでもそのまま入れる大型のシャワールームを完備。ミスト機能も付いている

施設は、貸し切り予約などがなければ、基本的にはいつでも、誰でも使用できる。料金は1日一般800円、学生、障害者500円で、トラック、ロッカー、更衣室、シャワーが利用可能。近くには2時間無料のパーキングもあり、軽く練習したいときに最適だ。また、ハードル、ストップウォッチなど陸上競技で使用する用具が揃い、貸し出しは無料となっている。

SLOW MOVEMENT 六本木アートナイトスペシャルバージョン(Photo Yukiko Koshima)

SLOW LABELの拠点ということもあり、天井には空中パフォーマンス用のティシュー(特殊な布)や空中ブランコが吊るされている。ここを貸し切り、または半分のスペースで練習を行っているそうだ。運が良ければ間近で練習風景を見ることができるかもしれない。

また、2017年2月11日(土)には、選考会で選ばれた市民パフォーマーとともに新豊洲Brilliaランニングスタジアムにて、パフォーマンス『SLOW MOVEMENT -The Eternal Symphony- 2nd mov.』を行うことも決定(入場無料、公式ウェブサイトより要申込)。出演者それぞれの身体の特徴をいかした、華麗で幻想的なパフォーマンスをこの機会にぜひ観に行ってほしい。

Xiborg(サイボーグ)の事務所。選手に義足を付けて実際にトラックを走ってもらい、その場で微調整などを行うなど、より良い義足の開発、研究が行われている

陸上競技用の義足も体験できる。バネになっていて、よく弾む。これをつけたら普段より早く走れそうだ

また近年、義足アスリートのマルクス・レームが『リオデジャネイロ・パラリンピック』の走り幅跳びにて、健常者に迫る記録を達成するなど、注目される最新義足や陸上競技。 パラリンピックの選手とオリンピックの選手が一緒に練習している風景を目指す新豊洲Brilliaランニングスタジアムでも、新たな記録が生まれるかもしれない。

新豊洲Brilliaランニングスタジアムの詳細はこちら

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