日本の服、着てますか?日本初のファクトリーブランド販売サイト Factelier

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
広告
Originally posted July 17 2014

日本の工場から、服を売る。そんなサイトがあるのをご存知だろうか。

そもそも、街で見る洋服のタグから「MADE in JAPAN」の文字が消えて、どれくらい経つだろう。ブランドの有名無名に関わらず、もはや中国製、インド製などが当たり前の時代。お米や肉といった食べ物の国産にはこだわる私たちも、いつしか身に纏うものの産地にはすっかり無頓着になった。

だって、日本製の服って高いじゃない。そんな声が聞こえてきそうなので、こちらのサイトをご紹介したいと思う。『Factelier』は、純国産の衣料品を販売するオンラインショップだ。自社工場でデザインから生産までを手がける、日本初のファクトリーブランドの専門サイトとして、2012年に誕生した。彼らの強みは、なんと言ってもその価格。日本各地の厳選した工場と提携して、メーカーや商社、販売店といった中間業者を一切挟まず、商品を直接消費者に販売。中間コストを省くことで、高品質な商品をリーズナブルな価格で届けることに成功した。

  

創業者の山田敏夫社長は、大学時代にパリのグッチで販売を経験し、その後日本でいくつかのファッション系ECサイトを経て、独立に至ったという人物。起業を後押ししたのは、日本のアパレル業界に対する危機感だった。国内市場におけるアパレル品の国産比率が、1990年の50.1%から2009年には4.5%にまで減少してしまったという現実。そんな現状に対しメイドインジャパンを守り、正しい価値観でつなぎたいと、クラウドファンディングで資金を募った。結果、目標額の30万円を優に超える、114万円を集めることに成功。山田社長は自ら全国を巡り、高い技術力を持つ工場を発掘して回った。現在は、ネクタイやシャツ、ソックス、ジーンズ、レザーなど、各々の製品づくりに長けた日本を代表する工場と提携に至っている。

オープンから2年弱と若いサイトながら、「Factelier」のファンには、放送作家や脚本家として知られる小山薫堂や、ファッションディレクターの干場義雅など、様々な人物が名を連ねる。本来、洋服の価値は付いているタグにあるのではなく、製品の質と、作り手の技術にあるはずだ。そう考えると、日本が誇る職人の手から直接手にできる製品があるなんて、かなり贅沢だ。

ファストファッションが一斉を風靡する今、流れが急激に変化するかは分からない。しかし、世界中どこでも同じものが売られるようになった今、日本だから作れるもの、買えるものの価値は、今後高まっていくだろう。日本に衣替えする時期は、そろそろかも知れない。

最新ニュース

    広告