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「Dear World,」、EU離脱についてタイムアウトロンドンから世界へ

Dear World

「Dear World,」。先週、世界に衝撃を与えた英国の国民投票の結果を受けて、タイムアウトロンドンがコメントを発表した。「An open letter from Time Out London(タイムアウトロンドンからの公開書簡)」と題された、同記事を以下に訳出する。

Dear World,

EU離脱へ票を投じた人はイギリス全体の多数派となった。しかしロンドンでは、そうではない。ほとんどのロンドナーは、彼らが大切に思うヨーロッパへの親愛の意を表明するために、その投票用紙を使った。多くの人にとっては、いまだヨーロッパへの態度が以前と変わっていないということを、私たちはあなたに伝えたい。

私たちは単に英国の市民であるというだけでなく、ヨーロッパの市民でもある。私たちの多くはヨーロッパの家庭に生まれたのであり、また私たちの多くはEU市民を友として尊重している。今回の国民投票に参加した人々もこれは変わらない。ロンドンがヨーロッパにとってvital part(=生命の一部)であると同時に、ヨーロッパもまたロンドンにとってvital part(=必要不可欠なもの)である(ロンドンからパリに行く方が、ラッシュアワーの市内をバスで横断するより早いから、という理由だけでこのことを言っているのではない)。

はっきりとさせたいことがある。この都市で生まれていない人をロンドンは歓迎する。ヨーロピアンに限らずすべての人を、国籍や人種、皮膚の色、信仰、靴のサイズなどがどうであれ。ロンドナーに対して、この都市の好きなところを尋ねてみてほしい。私たちは答えるだろう、「多様性」と。私たちは、この街が外国に興味を持つ人々にとっての場所、それぞれに異なるスキルやアイデアを持つ人々にとっての場所であり続けることを望む。国籍や人種を理由に、人に対して不寛容であろうとする人々にとっての場所は、この街にはない。そのような理由で自分と異なる人々と問題を抱えているなら、それは真のロンドナーではない。

英国王室にはギリシャやドイツの血が流れている。ネルソン記念柱の足元に佇むブリティッシュライオンたちを誇りに思う?作ったのはフレンチイタリアンの彫刻家だ。国民食といえば、フィッシュアンドチップス(ロンドンで最初のフィッシュアンドチップス店を出したユダヤ系移民に感謝する)かチキンティッカマサラだ。念のため指摘しておくと、これらのレシピを発明したのは、自らの血筋がウィリアム1世まで辿れることを鼻にかける人ではない(ちなみに、ウィリアム1世はフランス人)。極め付けに「イングリッシュ」という言葉は、ゲルマン系の部族「アングロ・サクソン」に由来している。だから、もし私たちのナショナルアイデンティティを問うならば、こうなるしかない。「何千年にもわたって移民を歓迎してきた人々」、と。

この街の移民を故郷へ送り返すなんてあり得ないことだと、真のロンドナーは分かっている(海外出身者のいなくなった後のサッカーリーグやレストランの惨状が目に浮かぶ)。ロンドンこそが彼らの故郷だと、真のロンドナーは分かっている。一晩で街が変わってしまうということはない。どんな国籍や民族をバックグラウンドに持つかにかかわらず、あらゆる人間を大切に思う人々でこの街は溢れ返り続けるだろう。これからもずっと、すべての人を同じ人として私たちは扱う。ロンドナーとして彼らを扱う。そして、ヨーロッパから来た人々、世界から来た人々に感謝したい。私たちの街を故郷としてくれたことに。いや、言い直そう。あなたたちの街を故郷としてくれたことに。

原文『An open letter from Time Out London』はこちら

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