車いすユーザーの外出情報を共有するアプリ、『ウィーログ』がリリース

テキスト:
Yukako Izumi
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バリアフリー情報を共有するスマホアプリ『WheeLog(ウィーログ)』がNPO法人PADM(遠位型ミオパチー患者会)からリリースされ、2017528日(日)に記念のイベントが行われた。イベントには発案者であるPADM代表の織田友理子、アプリ製作に携わったオリィ研究所の吉藤健太朗、島根大学助教の伊藤史人らが登壇し、東京都知事の小池百合子も訪れた。

車いすユーザーにとって、出かけるときの事前情報はマスト。「車いすで通れる道なのか」、「乗り越えられるような段差の場所なのか」、「車いすに対応したトイレがあるのか」といった情報がないと、外出を躊躇(ちゅうちょ)してしまいがちだ。織田自身、2002年に筋肉が萎縮していく難病である遠位型ミオパチーと診断され、2006年から車いすでの生活となり、車いすで自力で越えられないとされる4.5センチの壁を感じてきた。そこで織田が考えたのが、車いすユーザー同士で外出情報をシェアできるアプリだった。2015年に日本国内の非営利団体を対象にした『Googleインパクトチャレンジ』で、テクノロジーで世界をよくするアイディアとしてアプリの案を応募。グランプリを取り助成金を獲得、アプリリリースの実現へとこぎ着けた。

『ウィーログ』は「走行ログ」や「スポット投稿」といった機能がある。「走行ログ」は、車いすユーザーがオンにした状態で使うと走行した道がマップに示され、車いすで通った人が多ければ多いほどマップ上でその線は濃くなり、「大勢の人が車いすで通った=車いすで通れる道だ」と分かる仕組み。「スポット投稿」では、テキストや写真を投稿することによって、車いすに対応した店であるかや、道の段差の有無、トイレの機能などを共有する。現時点ではまだ情報が少ないが、「リクエスト」の機能により、特定の場所の情報がほしいと要望を出すこともできる。アプリの知識責任者である吉藤によると、多くのデータを残すことによって、将来的にはアプリを使用すれば交通の乗換えなども含めて車いすに最適な道を示せるようにできるのでは、と話した。

より利用価値のあるアプリにするために多くのデータが必要だが、車いすユーザーでなくてもスポット投稿が可能だ。織田によると、とにかく写真があることが車いすユーザーにとって価値がある。特にトイレやエレベーターの写真をどんどん投稿してほしいと話した。 

アプリはこちら(iPhone用アプリAndroid用アプリ)から無料でダウンロードできる。

 

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