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安倍総理への要望書にセオ・パリッシュ、ジェフ・ミルズらが署名。永田町にジャズが鳴り響いた夜

安倍総理への要望書にセオ・パリッシュ、ジェフ・ミルズらが署名。永田町にジャズが鳴り響いた夜
okamabu
Originally posted September 22 2014

 

2014年9月18日(木)、『沖野修也×Zeebra クラブカルチャーを語る』と銘打たれた沖野修也のDJ25周年記念パーティーが、永田町の憲政記念館で行われた。

渋谷の老舗クラブ、THE ROOMのプロデューサーであり、DJとして長年ワールドワイドに活躍してきた沖野修也と、日本で最も著名なラッパーであり、クラブ事業者とアーティストやDJが連携して風営法問題に取り組む『クラブとクラブカルチャーを守る会』の会長も務めるZeebraが風営法改正問題について話し合うこの日。
国会議事堂に隣接する憲政記念館を舞台に選んだのは、沖野の胸中にある「自らを含めたDJやアーティスト、ナイトクラブ周辺の人々はこれまで、社会に向けてポジティブな発信を怠ってきたのではないか」という自戒の念からであった。

 

 

 

 

沖野は、「ナイトクラブにまつまわる報道といえば、有名人が薬物で捕まったとか、そういったマイナスなイメージのものばかり。これからはクラブ側からも積極的に情報を発信して、クラブに対する誤解を解いて行くべき。先ほど、僕が数曲プレイしていましたけれど、これは憲政記念館では初めてのことです。永田町でDJがプレイした記念すべき日です」と語り、また、「DJの地位が他国に比べて低い日本では認識されていないが、DJ KRUSHやサトシ・トミイエといった日本人DJたちは、海外に多くの信奉者を持ち、スポーツ選手並みの知名度と人気がある。クールジャパンと言うなら、アニメやアイドルといった特産品的なものもいいが、こういった世界標準で活躍する人たちこそ、誇るべきかっこいい日本の象徴であり、クラブカルチャーの文化的、経済的価値はもっと評価されなくてならない」と、DJが表現者、アーティストとしてもっと評価されるべきであると主張した。

「DJは、キュレーターとして新しく優れた音楽を最高の形で紹介する重要な存在であることがもっと認識されてほしい」と語る沖野修也

 

 

 

 

この日、沖野の対談相手として登場したZeebraは、かつてはアジアで唯一のクラブカルチャー発展国だった日本の存在感が、近年薄れてきていると訴えた。「クラブミュージックやヒップホップを文化として発展させ、優れたアーティストを輩出してきた日本の背中を見て勇気づけられたと語るアジアのアーティストは多い。しかし、近年は海外の大物DJやアーティストがアジアツアーを行う際に、上海や韓国では公演しても日本はスルーという状況も起こっている」として、長年ナイトクラブが法的にグレーゾーンで営業することが常套化し、優れた才能を伸ばし支援する受け皿のない日本の環境は改善されるべきであると語った。

 

 

 

 

この日、イベントの最後に沖野は、安倍晋三首相に宛てたクラブ規制の緩和を求める要望書を発表した。ニューヨーク在住のDJアレックス・フロム・トーキョーと沖野が文案を考え、賛同者を募ったこの要望書には多くの海外の大物DJたちが署名し、近く、国会議員経由で提出される予定であるという。
署名には、ジャイルス・ピーターソン、セオ・パリッシュ、ジェフ・ミルズ、ローラン・ガルニエ、ジョー・クラウゼル、DJスピナ、ミロ・ジョンソン、ディミトリ・フロム・パリ、ジョーイ・ネグロ、アレックス・フロム・トーキョー、エディ・ラミッチ、パトリック・フォージといった錚々たる面々が名を連ねている。
要望書の全文は下記の通りだ。

 

安倍晋三様
 我々DJが活動するクラブを規制する法律が改正されるに当たり、お願いがあります。どうか法律を正しく改正して下さい。クラブは犯罪の温床ではあ りません。もしトラブルがあるとすれば一部マナーの悪い人の個人的な問題で、ダンスさせる営業はそもそも法律で規制されるような事ではないのです。日本に 限らず、世界中の人々が僕達がかける音楽でダンスを楽しんでいます。ダンスは人を幸福にするものです。
 日本のクラブは世界的に見ても自由度の高い素晴らしいシーンを形成しています。毎週末のようにトップDJが来日し、オーディエンスは先端の音楽を楽しみ、その情報をDJと聴衆が共有しています。彼らの反応はDJに多くのクリエーティブなヒントを与えてくれるのです。
 クラブは音楽の実験室であり、洗練された社交場であり、ファッションやグラフィック・デザイン、またアートとも連動しています。そして、日本には世界で活躍するDJが作った音源をプレーしてくれるDJがいます。
 我々は単に収入を得るためにクラブでプレーしているのではありません、喜びをオーディエンスとシェアし、ローカルなDJが活動するための音源を供給しています。同時に彼らは我々の音源をサポートしてくれている重要な存在です。
 国境や人種を超えて我々DJは連動し、お互いを尊敬しています。これは、音楽を通した国際交流であり、世界平和にも貢献する活動です。ロックやポップスやジャズでは実現が難しい、音楽家の世界的な人的交流を我々DJは、クラブで実現しているのです。
 2020年のオリンピックの開催に向けてより多くの海外からの観光客が日本を訪れる事でしょう。日本で最もクラブが密集していると言われる渋谷で は、外国人が訪れるナイト・スポットとしてクラブが圧倒的な人気を誇っています。そんな場所を厳しく法律で規制しないで下さい。
 もう一度お願いします。どうか法律を正しく改正して下さい。多くの海外DJが音楽ファンに出会う機会を提供するクラブ・シーンが、東京で、そして日本で更に発展する事を願っています。
 来日経験のある世界のDJ一同より

 

 

風営法改正の動向は、今秋の臨時国会に向けて詰めの段階に入っている。
先日報道があったように、風営法によるダンス営業の規制見直しを有識者が議論する警察庁の「風俗行政研究会」が公表した風営法見直しの報告書では、風営法で定める「ダンス」の文言を削除すべきだとしながらも、同時にクラブなどは10ルクスを基準とした店内照度(照明の明るさ)、および営業時間帯(深夜0時以降の営業)で規制するとの提言がなされた。
警察庁では、この報告を踏まえた風営法改正案が秋の臨時国会に提出される方針となっているが、「映画館の休憩中の明るさ」と同程度である明るさを基準とするこの規制が本当に妥当であるか、疑問の声は多い。
法改正という大きな転機に、より多くの人がこの問題に対して関心を寄せてくれることを願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

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