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伝統の技に光を当てる東京手仕事プロジェクト、商品発表会の様子をレポート

伝統の技に光を当てる東京手仕事プロジェクト、商品発表会の様子をレポート

「東京手仕事」というプロジェクトを知っているだろうか。同プロジェクトは、江戸職人の匠の技と心意気によって磨かれてきた伝統の技に光を当て、魅力を国内外に発信していく取り組みのことだ。都や都内区市町村が認定する伝統工芸品の制作者が、デザイナーとタッグを組んで商品を開発。選考で高い評価を得た商品が実際に販売されるというものである。2回目となる今回は、「東京ライフスタイル。暮らしに溶け込む伝統の技」をテーマに商品が開発された。ここでは、優秀賞、東京都中小企業振興公社理事長賞、東京都知事賞を受賞した作品を中心に、世に解き放たれる10のアイテムが初披露された5月23日の商品発表会の様子をレポートする。

 

『Harekiriko』

 

商品発表会は、全商品の紹介からスタート。江戸切子のぐい飲み『Harekiriko』や、洋装にもぴったりなかごバッグ『イロかご』、バレンで力強く摺ることで紙の裏側にも色が透ける江戸木版画の特性を紙の器で表現した『縞のうつわ』など、職人の技とデザイン性が組み合わせられた魅力的な商品が次々と紹介されていった。そして、統括アドバイザーである小澤弘からの総評ののち、いよいよ各賞の発表と表彰へ。まずは優秀賞が発表された。名前を呼ばれたのは『ことわざざむらい』。ことわざの意味を身体全体で表現した愛くるしい侍の人形『ことわざざむらい』は、江戸木目込人形の技術に裏打ちされた品の良さと温かさが、日本人の心意気や精神を伝えてくれる商品だとして選出された。

 

『ことわざざむらい』

 

続いて、東京都中小企業振興公社理事長賞を受賞したのは『玉盃 ながれ』。美しさとモダンさが同時に表現されている点が高く評価された。柄を入れずに、デザインの曲線美で銀そのものの上品さや色気を表した『玉盃 ながれ』には、酒を注ぐと盃(さかずき)の中央に球体が静かに浮かび上がってくる仕掛けも隠されている。

 

『玉盃 ながれ』

 

そして、東京都知事賞には『籐と和紙のうちわ』が輝いた。受賞理由は、籐の皮籐に世界遺産の和紙である細川紙を張った斬新なうちわとして、籐紙の技術をうちわという機能的なアイテムにうまく溶け込ませ、具現化した意匠が高く評価されたことから。一本一本、職人の手によって細く薄く加工された皮籐が巻かれた持ち手は握りやすく、商品自体も軽いのが特徴。シンプルでありながらも日本的なデザインが美しく、仰ぐと柔らかな風を感じられる一品だ。同賞は、都知事の小池百合子が直接表彰を行った。

 

『籐と和紙のうちわ』

 

 

 

サポートしてくれた人々への感謝と今後の意気込みを語る、『籐と和紙のうちわ』製作者の木内秀樹

 

 

 

 

最後は小池が祝辞を述べ、発表会は幕を閉じた。祝辞のなかには、東京の魅力を海外へ発信するためのキャッチフレーズ「&TOKYO」にかわる新たなものとして発表された「Tokyo Tokyo Old meets New」という言葉も登場。伝統的な技術と今の時代に必要とされているデザインを組み合わせた商品が集うこの場所には、キャッチフレーズに込めた「古きが新しさと出会う」の例があるのではないかと語った。そして、2020年に控えた東京オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典としてだけではなく、江戸の文化や現在の東京の技術、モダンなデザインなどを世界へ広げていくきっかけにしたいとも話し、東京のものづくりや手仕事が維持、発展されていくために、活動をしっかり応援していきたいとの言葉で締めくくられた。

 

受賞作品に限らず、職人の技術と繊細な手仕事、そして現代的なデザインが一体となった作品は、どれも品があり、凛としていた。これからも様々な商品が誕生し続けていくことを期待するとともに、新たな姿を身にまとった伝統工芸品が現代の生活の中で親しまれ、日常に彩りを与えていく日も近いのではないかと考えると楽しみでならない。

 

発表会終了後、商品を手に取り、楽しそうに視察する都知事

 

 

 

 

 

   

 

スマートフォンのスタンド兼スピーカーとしても使用できる『東京音景』

 

 

 

 

『イロかご』

 

 

 

『縞のうつわ』

 

 

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