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今週末開幕。ヨコハマ・パラトリエンナーレのテーマが発表

ヨコハマパラトリエンナーレ 総合ディレクターの栗栖良依と実行委員長の島田京子(左から)
総合ディレクターの栗栖良依と実行委員長の島田京子(左から)

いよいよ2017年5月27日(土)に開幕する国際芸術祭『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』の今年のテーマが発表された。2014年より、3年おきに横浜市で開催されている同イベント。2回目となる今回は、「sense of oneness とけあうところ」と題し、障害の有無、性別、人種、年齢など、社会に溢れる「壁」や「境界線」をなくすことを目指す。5月中旬に、横浜の象の鼻テラスで開催された会見で、実行委員長の島田京子と、総合ディレクターを務める栗栖良依が、テーマ決定に至った経緯と詳細について語った。

 

テーマに込めた思いを説明する栗栖

 

 

 

そもそも『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』とは、障害者と、様々な表現活動を行うプロフェッショナルが協働で新しい芸術表現を生み出すことを目標に、2014年にスタートしたアートイベントだ。2014年から2020年まで、3年おきに3回の開催を予定している。第1回は「first contact はじめてに出会う場所」と題し、障害のある人と関わりのなかったアーティストや市民をつなげることを目指した。開催前の準備期間には、横浜市内にある障害者施設や学校を巡り、パフォーマンスやもの作りのワークショップを数多く開催。実行委員会によると、約4ヶ月にわたって開催された前回、参加した施設と団体数は24、参加者は約10万人だった。今回目標とする参加施設と団体数は、前回の倍の50。同時に、参加者の半数が障害者となることを目指すという。

前回の開催では、障害者が会場に足を運んだり、プログラムに参加する際の「アクセシビリティ」の課題が浮き彫りとなった。その改善のために実行委員会が力を入れたのは、「アカンパニスト」と「アクセスコーディネーター」と呼ばれる人材の育成だ。マラソンで伴走者を意味するアカンパニストは、障害者とともに創作活動に取り組み、アクセスコーディネーターはパフォーマンスへの参加に際して発生する、物理的、精神的な障壁を取り除く。期間中はパフォーマンスだけでなく、横浜市のいたるところで彼らの活躍を目撃することになるだろう。

 

前回の様子

 

前回と大きく異なるのは、期間が創作、発表、展示の3部構成となっている点だ。2017年5月末〜12月下旬まで開催され、約4ヶ月間開催された前回の1.8倍長い。しかし、作品を観ることができるのは10月上旬のコア期間と、その後予定されている展示(詳細未発表)のみで、大部分にあたる創作期間は、公共空間や施設、学校でのワークショップや、パフォーマンスの練習にあてられるそうだ。

会見では、テーマと期間だけでなく、参加アーティストも発表された。2016年のリオデジャネイロパラリンピックの閉会式に参加した金井ケイスケ、数々の芸術祭に出展し注目を集める現代芸術活動チーム「目」、象の鼻テラス内の天井を覆う白い網『whitescaper』を手がけた井上唯らの参加が予定されている。金井は、10月頭に予定されているパフォーマンス内の重要な役を、障害の有無に関わらず誰でも参加できるオーディションで決めることを発表している。また、井上は『whitescaper』を象の鼻パーク全体を覆うようなサイズに拡張するべく、各地でワークショップを開催する予定。トータルで1万人の制作協力者を目標にしている。障害者も市民も一緒になり、「とけあう」ところに現れる表現に期待したい。『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』は2017年5月27日(土)スタート。

井上唯『whitescape』(一部)

 

井上唯『white scaper』(一部)

 

 

 

記者会見には、アクセシビリティ向上の取り組みの一環として、登壇者の発言を字幕で表示する「遠隔字幕システム」が導入されていた。指定されたURLにアクセスすると、手持ちのパソコンやスマートフォンでも同じ画面を表示することができた。同システムは、今後予定されている5月27日のキックオフイベントなどでも活用を予定しているという。

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