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オリンピックに向けたプログラム、東京キャラバンが試験的に開催

東京キャラバン

『東京オリンピック・パラリンピック』が開催される2020年に向けて、東京都は文化事業にも力を入れている。そのリーディング・プロジェクトとして展開しているのが、野田秀樹が監修を務める『東京キャラバン』と日比野克彦が監修を手がける『TURN(ターン)』だ。東京芸術劇場の芸術監督も務める希代の劇作家/演出家の野田による大掛かりなプログラム『東京キャラバン』は、ダンスや音楽、美術、映像あるいは大道芸やストリートパフォーマンスといったものまで、様々なコンテンツを積んだ屋台のようなもの。2016年夏、オリンピックの渦中にあるリオデジャネイロを出発するものをはじめ、全国各地で幾台もの『東京キャラバン』がパフォーマンスを繰り広げる予定だ。その準備段階として2015年10月10日(土)には、駒沢オリンピック公園にて試験的なパフォーマンスが開催された。

 

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観世流能楽師の津村禮次郎が出演するなど、試験的というにはあまりに豪華な出演陣に加え、監修補佐の日比野克彦や美術・空間構成の名和晃平をはじめ、椿昇、パラモデル、衣装にひびのこづえ、振付に井手茂太など、数多くのアーティストが参加した。内容も演劇調のシーンだけでなく、朗読や伝統舞踊、さらにはバイオリンと津軽三味線の競演、ドラァグクイーンなども交えたファッションショー風の演出と、野田の呼ぶ「文化大サーカス」の名に恥じない多彩な構成で、観客に息をつく暇を与えない。「文化とは、交通である」との宣言どおり、様々な要素が「交わる」ことで空間を変容させていく同作では、これら各シーンの転換もシームレスに行われる。その結果、津村禮次郎による優美な舞と宇治野宗輝のメカニカルな音楽の交わりなど、場面を越えた出会いからも素晴らしく刺激的な瞬間があちこちで突沸していた。 

 

 

 

東京キャラバン

写真提供:東京都

 

 

 

 

 

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舞台中央に厳然とそびえ立つのは、いかにも名和晃平らしい塔状のオブジェ。このオブジェをはじめ、名和による美術が、エネルギーに満ち溢れた多種多様な演目に統一感をもたらし、ともすると決壊しかねない空気をぎりぎりのところで引き締めていた。とりわけ、名和率いるULTRA SANDWICH PROJECTやデイジーバルーンの作であろう乗り物が舞台を駆け巡るシーンでは、「金属の民」や「土の民」といった神話的表現が与えられ、野田ならではの巧みな物語性と名和の生々しくもバーチャルなビジュアルが最も幸福に結びついていたと言えよう。

 

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同作はリオデジャネイロの海岸、波打ち際での上演を想定して演出されたという。これだけのビッグバジェットな作品を、どのように現地へ持っていき、どのくらいまでが再現されるのか。さらには言葉の違う国でのパフォーマンスとあって、野田ファンとしても懸念は尽きないが、ラテンの海を背景にしたフィナーレはさぞかし感動的であろうと夢想する。1964年の東京オリンピックにも参加した金津流の獅子躍とアイヌ舞踊、琉球舞踊が交ざり合っていく祝祭性の高い大団円で、アイヌの歌、ウポポが夜のさざ波へと染み入る様を耳にする日を心待ちにしていてほしい。

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宇治野宗輝の作品

 

 

 

 

 

 

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