KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭の4つの魅力

国内外の写真家やキュレーターの展示が京都市内16ヶ所で一斉にスタート
KYOTOGRAPHIE
作成者: Hiroyuki Sumi |
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テキスト:鷲見洋之

KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー) 京都国際写真祭 2017』が4月15日、京都市で始まった。国内外で活躍する写真家の作品の展示や体験イベントなどが、市内各地で5月14日(日)まで行われる。2013年の初開催以来、年々、注目が高まる『KYOTOGRAPHIE』。写真祭の特徴や注目の展示、見どころなどを紹介する。

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1.世界的写真家の作品とコレクションが集結

今年の『KYOTOGRAPHIE』には、国内外から40人以上の写真家やキュレーターらが出展。「ポートレートの巨匠」と呼ばれたアーノルド・ニューマンや、ニューヨーク出身のロバート・メイプルソープ、「アラーキー」こと荒木経惟ら、世界的に著名な写真家の作品を一度に楽しめる。さらにイタリアのアート写真雑誌TOILETPAPER Magazineのインスタレーションや、フランス国立ギメ東洋美術館のフォトコレクションの公開などもあり、誰もが満足すること間違いなしの内容だ。

今年のテーマは「LOVE」。『KYOTOGRAPHIE』の共同創設者で共同ディレクターを務める仲西祐介は、『前年(2016年)に世界で起きたことを基にして(テーマを)決めた。作品の裏にあるテーマを感じてほしい』と趣旨を説明する。人種差別問題や家族愛、宗教などを扱った作品が多いのも特徴と言えるだろう。数ある展示のなかでも、特に注目を集めているものを以下にいくつか紹介する。

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15日に京都市内のホテルで開かれたオープニングパーティー

注目の展示

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アーノルド・ニューマン「マスタークラス ポートレートの巨匠」

パブロ・ピカソやジョン・F・ケネディ、マリリン・モンローら著名人を撮影したニューマンの、没後初の回顧展。会場は、ユネスコ世界遺産の二条城二の丸御殿台所と東南隅櫓(やぐら)だ。展示を担当したキュレーターのウィリアム・アーウィンは、ニューマンについて「20世紀のアメリカにおける最も重要なポートレート写真家」と分析、「彼は決して同じ撮影法に固執することはなかった。常に慣例を打ち破ろうとし、被写体を求めて自分から現場に出向いていった」と魅力を語る。会場には、60年以上のキャリアのなかで彼が撮りためた芸術家や経営者らのポートレートがずらりと並んでいる。撮影方法やトリミング術などについての解説文もあるので、ニューマンの特徴や功績、技法の変遷について初心者でも詳しく学ぶことができる。

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TOILETPAPER Magazine「Love is More」

強烈なビジュアルで注目を集める、イタリア発のアートフォトマガジンTOILETPAPER Magazine。『KYOTOGRAPHIE』では、マガジン制作の中心を担うマウリツィオ・カテランとピエールパオロ・フェラーリ(写真)らが、東山区のアートスペースでインスタレーションを展開。「水面下」がテーマの真紅の部屋や、「フード」をテーマにしたカラフルな部屋など、彼らのカオスな脳内を探検しているかのような空間になっている。フェラーリは「TOILETPAPER(トイレットペーパー)とは、食べたものが消化された後に使われるもの。私たちは、インターネットや雑誌などを通して様々な情報を『食べ』て『消化』している。もしこの空間で何か感じる(消化する)ものがあれば、あなたもTOILETPAPERの一員。新たな体験を味わってほしい」と狙いを語る。1階では、マグカップやトレーなどのグッズ販売もあるので、ぜひ立ち寄ってほしい。

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吉田亮人「Falling Leaves」

宮崎県出身のフォトグラファー吉田亮人(あきひと)の展示『Falling Leaves』も好評だ。2011年から2014年にかけて撮りためた、自身の祖母と従兄弟が生活をともにする風景の写真展で、観ていると自然と心が和んでくるだろう。一緒に食事をしたり、買い物に出掛けたりする写真など、一見すると穏やかなものばかりだが、作品の背景にあるストーリーを一度知れば、あなたの心は激しく動揺するに違いない。まずは展示会場に足を運んでみてほしい。会場の元 新風館では、8年間世界を旅し、各地でTシャツのバックプリントを撮影し続けてきた、アメリカ人写真家のスーザン・バーネットの展示もある。「LOVE IS EVERYTHING」や「IT'S ALL LOVE」など、「Love」に関連する個性豊かなメッセージが並んでいるので、一緒に観ておこう。

2.展示会場の貴重な歴史的建造物や近現代建築

『KYOTOGRAPHIE』の大きな特徴のひとつが、展示会場だ。仲西も「伝統建築や現代建築を会場に使うという新たな実験をしている。会場を歩くだけでも新しい魅力が見つかるかもしれない」と、ほかの写真祭との違いを強調する。築100年以上の町屋や城、寺院など、京都ならではの建物が舞台なので、一流アーティストたちの作品を、非日常的空間で堪能できる。

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国指定有形文化財の無名舎

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3.多彩なイベントやワークショップ

見どころは、展示内容だけではない。豊富なイベントやライブパフォーマンス、ワークショップなども開催されている。16日には、スペイン出身の画家ミケル・バルセロが二条城でライブペインティングを披露。巨大なキャンバスに、水を使い洞窟壁画風の作品を豪快に描いた。元 新風館と周辺では、大きなカメラの中に入り、内部に映し出される映像を観るイベントが毎日開かれている。ほかにもデジタル銀塩プリントのワークショップやトークショーなど様々あるので、幅広い楽しみ方が可能だ。

写真家やキュレーターらによるトークイベントも多く予定

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4.未来の巨匠の発掘の機会

まだ世間的には知られていない写真家やキュレーターの展示を観られるサテライト企画『KG+』もおすすめだ。未来の巨匠たちによる渾身(こんしん)の作品が、『KYOTOGRAPHIE』をさらに多様なものにしている。『KG+』の会場は京都市内に約60ヶ所ある。黄色いのぼりが出ているので、見つけたらぜひ覗いてみよう。

『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017』の詳しい情報はこちら

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