函館のラーメンは、札幌のみそ、旭川のしょう油に対して塩味が基本だ。暖流の影響で他所に比べて比較的気温が下がらないので、体が温まるこってりしたみそなどではなくあっさりとした塩と、明治時代に華僑が函館で提供した清湯(チンタン)スープが使われたとする説も伝えられる。鶏がらや魚介類、コンブなどでだしを取り、どんぶりの底まで透けて見えるような澄んだスープが特徴である。
「鳳蘭(ほうらん)」は、1950年の創業の「町中華」。昔ながらの塩ラーメンの味を今に伝える老舗の人気店の一つだ。およそ豚骨9、鶏がら1の割合で作るスープは、あっさりしていながらも深みのある味わいで臭みは全くない。料金は750円(以下、全て税込み)とリーズナブル。名物のシューマイやブタ肉に衣をつけて揚げた「ザリジ」といったサイドメニューを一緒に楽しもう。




