幕末に開店した老舗、万惣の味を継承するホットケーキ店

幕末に開店した老舗、万惣の味を継承するホットケーキ店

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日本橋にある人気喫茶、花時計が2月中旬に閉店するという悲しい知らせが飛び込んできた。同店は、かつて神田須田町にあった人気のフルーツパーラー万惣(2012年にビルの老朽化により閉店)で修行を積んだシェフが切り盛りする、ビジネスマンの腹を満たす名店だった。

しかし、閉店を悲しむのはまだ早い。万惣で修行したシェフが独立してオープンさせた店は、東京の各所にあり、その味が楽しめるからだ。

万惣は1927年にオープンした老舗店。正統派フルーツパーラーの風格を持つ上品な雰囲気で、いつ訪れても混み合う人気店だった。全てのメニューがおいしいのだが、同店のホットケーキはまさに「完璧」。ぴたりとした円形と均等な厚みと焼け具合で、表面はカリッと、ナイフを通すとふわりとした弾力が伝わってくる。添えられたバターとシロップも独特のうまさだった。

ここでは、そんな「幻の味」を継承するホットケーキ店を紹介したい。 

日本橋:花時計 ※2月中旬に閉店

日本橋のビジネス街にあるホットケーキ専門の喫茶店。マスターが指定する席に速やかに座ってから注文をし、じっくりホットケーキを焼き上げるのを厳かに待つという、一種独特の緊張感がある店。ホットケーキは単品での注文も可能だが、朝食やランチを兼ねて、ハム、ソーセージ、ベーコン、スクランブルエッグを一皿に盛り合わせた、ボリュームたっぷりの『デラックス』を頼む人が多い。

コーヒー好きに勧めたいのが、1970年代のデンマーク製ビンテージグラスで供されるアイスコーヒー。深煎りの焙煎(ばいせん)香と強めの苦みは、ホットケーキによく合う。銅板前でいそいそとホットケーキを焼きながらコーヒーをいれるマスターと、同時に4つの鍋を巧みに操ってスクランブルエッグやベーコンを焼くマダム、2人の息の合った仕事ぶりもこの店の魅力だ。

赤坂:ホットケーキパーラー フル フル

赤坂の路地裏にあるフルーツパーラー。ホットケーキは万惣の流れを汲む仕上がりで、表面はさっくりと焼き上がり、中はふっくら。もちろんフルーツにもこだわっているので、せっかくならば、フルーツたっぷりのクリームを添えた『フルーツクリームホットケーキ』を頼みたい。

『フルーツパフェ』に入る果物は季節によって変わるが、イチゴやオレンジなどの定番に加え、キンカン、プルーンといった、ユニークな果物がセレクトされるのも楽しい。中にはアイスクリームやナタデココなどが入り、さっぱりとした味わいだ。

蒲田:シビタス

東急蒲田店4階にあるホットケーキが人気の喫茶店。元々は「万惣蒲田店」として営業していた。店名が変わった今でも、万惣フルーツパーラーで1930年に考案されたレシピでホットケーキを作っている。サクサクとした食感の表面と絶妙な火加減でしっとりと仕上げられた中身とのコントラストが印象的なホットケーキを堪能したい。

経堂:ホットケーキ つるばみ舎

店名の「つるばみ」は、古語でどんぐりを意味し、名物のホットケーキにはどんぐりと「舎」を組み合わせたオリジナルの焼印が押されている。同店で味わえるのは、まさに我々のイメージする日本的なホットケーキ。素朴な甘さで、バターの塩気や自家製メープルソースのコクとも相性抜群である。

万惣で修行経験のある主人が手がける『フルーツサンド』ももうひとつの看板メニュー。季節ごとに使われるフルーツが変わるのもうれしい。1日10食限定と少々狭き門だが、何度でも足を運びたくなるおいしさである。

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