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井上ひさしの名戯曲『頭痛肩こり樋口一葉』を、演劇を通じて日本の「近代」を問い続けるドナルカ・パッカーンが「新宿歌舞伎町能舞台」で上演。若くして亡くなった明治の作家樋口一葉の人生を描く女優劇だ。笑いで武装しながら、因縁の連鎖の中で懸命に生きる女たちの尊厳を高らかに掲げる。
8月16日の送り盆の日をトリガーに、生と死・現実と幻想との境界が崩れ、「取り憑かれるように」樋口一葉の痛みと叫びが観客の人生に入りこんでくる。新宿歌舞伎町能舞台という混沌と伝統がないまぜになった空間の中で、あらゆる抑圧に対してユーモアをもって強かに抗し、批判してみせる様は、ここでしか感じられない不思議な力を持って迫ってくる。
演じるのは、辻村優子、金井由妃(劇団民藝)、春はるか(流山児★事務所)、斉藤沙紀(劇団新派)、内田里美の5人の女優。そこに海老沢栄による人形遣い・花蛍が入ることで現実と幻想の境界が曖昧になり、井上ひさし的ファンタジーが深化する。
コントラバス(川崎純)とアコーディオン(熊坂路得子)によるライブ演奏は、祈りや宿命といった因縁に翻弄される人々の哀しみと一方で生活のユーモアを描き出し、舞台の情感に色を付ける。ボコーダーを使った現代的な演出は、歌舞伎町らしさを感じさせつつも、能舞台で見事なコントラストとなり楽しませてくれる。ぜひ体感してみてほしい。
※12月12日(金)14時/19時30分、13日(土) 13時/18時30分、14日(日)13時
チケット(全席自由・日時指定)は予約・当日精算5,000円、当日5,500円、ベンチ席3,500円
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