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江戸時代から続く伝統あめ細工の専門店「浅草 飴細工アメシン」。それだけでも珍しいが、販売のみならずあめ細工作りの体験教室を、「花川戸店」で随時開催している。江戸ゆかりの伝統の味や品々が残る場所にふさわしい趣向だ。
店は猿若町から少し離れた東京メトロの浅草駅寄りの花川戸にあり、穴場エリアといえる。黒壁の入り口に太いしめ縄を掲げた小粋なたたずまいからして雰囲気がある。店の奥がこざっぱりしたカフェ風の教室になっていて、落ち着いて作業できるだろう。
手始めにオーバーヘッドプロジェクターを使って概要が説明され、職人が先生となってあめ細工作りの実技に入る。まずは練習からスタート。温かくしたあめを棒に刺し、ナス状に丸めたものを手渡される。それを和ばさみを使い、指導を受けながら「白うさぎ」に仕上げていく。
ウサギ作りには飴細工の基本が全て詰まっているからで、書道の「永字八法」に相応する。あめ細工職人も入門するとウサギから叩き込まれるそうだ。和ばさみでざっくり切り込みを入れ、耳・前足・後ろ足・尾の順に形作っていく。あめを伸ばしたり曲げたり素手で行う作業も入るが、熱くてゆがみやすいのでなるべく触れないように進める。
また、棒から次第にあめが垂れてくるので、持ち方を工夫して位置を直すことも重要だ。しかも次第に冷めて固くなっていくので、2〜3分の内に仕上げねばならない。まさに一発勝負の世界。それゆえ練習は3回行う。
おおよその工程が分かってきたところで、本番に挑戦。職人先生の助けを借りながら、形を整え食紅で目・鼻・耳に色付けして終了となる。しくじると「ピカチュウ化」するが、それはそれで味といえ、面白い。完成品はもちろん持ち帰ることができ、食べられる。
体験してみると一筋縄でいかない奥深い世界に魅了されるだろう。インバウンド客のほか、修学旅行の生徒が団体で訪れることもある。伝統文化の一端をコンパクトに味わえ、東京人にも興味深い好企画である。
伝統あめ細工は、あめを練る工程で空気が加わり、透明だったあめが白く変化する。アメシンの代表の手塚新理はそれまでありえなかった透明なあめの開発に成功し、あめ細工の世界に新たな可能性を押し開いた。
店の入り口にはあめ細工の販売コーナーもあって、そういった高度な品を購入できる。透明な体に鮮やかな色を乗せた金魚、透き通って見える和柄のうちわ、かわいらしい白黒のパンダなど、教室に参加すると作品の腕前の程が身にしみて、職人技に頭が下がるだろう。
あめ細工作り体験の所用時間は、1時間30分〜2時間。料金は大人3,100円(税込み)で、予約を推奨する。
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