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1905年開業、銀座の高級寿司店ほか名料理店を顧客に持つ、浅草の老舗米穀店のアンテナショップ「お米とごはん隅田屋 浅草店」が、2026年3月にオープン。浅草駅から訪れると奥まった場所になるが、猿楽町の入り口に位置し、同じく地元民が多く暮らす花川戸に建つ。ある意味絶好のロケーションといえる。
すでに「麻布台ヒルズ店」が営業しているが、テイクアウトのみだったメニューをバージョンアップ。作りたてを味わってもらうべく、イートインスペースを完備した。
木の温もりが感じられる明るい店内で供されるメニューのいちおしは、「おむすび御膳」(2,000円、税込み)。オリジナルの型抜きを使い、ひつから炊きたてのご飯をよそって、客自らおむすびを握る趣向だ。7種の具を自由に組み合わせ、説明書き通りに作ると、ほろりした軽い口当たりの絶品おにぎりを味わえる。多少の出来不出来が生じるのも、むしろ楽しい。
ご飯のおかわりは自由で、おかずが物足りなければ、サケか鶏を選べる「おひつ御膳」もある。こちらもおかわり自由である。
用いる米はもちろん隅田屋商店の逸品。プロの厳選した米を「古式精米製法」という独自製法で通常の7倍時間をかけて繊細に精米し、それを寿司や炊き込み、おにぎりなど用途に応じてブレンドしている。
店で供されるおにぎりは、冷めても味が損なわれないブレンド米だ。ブレンド米とだけ聞くとチープな印象も持つかもしれない。同店の場合は上質な米を組み合わせ、より深い味わいを生み出す全くの別物。古式精米製法によって米の表面部分のうまみまで感じられる味のほどは、試食してもらうしかない。
めしのうまさが看板の料理店は珍しくないが、米穀店である隅田屋は、供する米へのこだわり、味の引き出し方が頭抜けている。
隅田屋の掲げるテーマは、「お米を嗜好品として楽しんでもらうこと」。とはいっても、手の届かない高級品ではなく、ちょっとした特別な日に試してみたくなる価格帯で、日常の延長として提供する。イートインもその一貫であり、商品も小分けにして値段を抑えるなど工夫している。
炊き込み飯用に汁を吸い込みやすくしたブレンド米と、炊き込みの元を購入してみたが、説明通りのうまさに納得。ほかにも3銘柄の米を自分で配合してオリジナルのブレンド米を作れるコーナー、付け合わせに良い食材、さらにはおにぎり柄のオリジナルグッズまで展開。時代を見据えた米愛に満ちている。
テイクアウトは、混み合う前の早めの時間が狙い目だ。なお現金での支払いはできないので、注意してほしい。
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