「ギャラリー小柳」で、ユアサエボシの個展「でいかい」が開催。7点の新作を含めた、「戦争」にまつわる絵画を10点を紹介する。
ユアサは、大学卒業後に就職した金融関係の会社が入社半年で倒産し、その後画家になることを決意して美術学校に進学したという異色の経歴を持つ。シュルレアリスムの世界に出合い、やがて自らを「大正生まれの三流画家・ユアサヱボシ」として位置づけ、当時の画風を模した絵画制作に取り組むようになった。
ユアサが擬態する架空の画家、ユアサヱボシ(1924~1987年)は戦争を生きた世代に属すが、重度のヘルニアのため出征はせず、疎開先で物資の欠乏に耐えながら日々を過ごしたという設定。直接的な従軍経験こそなかったものの、ヱボシは時代のただ中で「戦争」という現実に晒されていた。絵には、時に勝利の報に安堵(あんど)し、時に敵国を憎む感情を抱いた「時代の感情」が静かに刻まれている。
会場では、戦時中に作られた土人形の玩具をモデルにした特攻服の若者が立つ『少年』、胸元に勲章を輝かせながらも滑稽な顔を見せる『似非元帥』や、戦後日本における健康至上主義を風刺的に表した『健康第一』など、多様な角度から「戦争の残響」を描いた作品を展覧する。
なお、2025年12月28日(日)から2026年1月12日(月)まで冬季休廊なので、注意してほしい。
※12〜19時/休廊日は日・月曜・祝日/入場は無料


