浮世絵の専門家でもほとんど知られていない無名の絵師、歌川広景(うたがわ・ひろかげ)。しかし近年、雪道で豪快に転ぶ江戸っ子や、だるまの形をした雪だるまなど、「太田記念美術館」のSNSに投稿された広景の作品が大きな反響を呼んでいる。そんな同館で「歌川広景 お笑い江戸名所」が開催される。
広景は「東海道五拾三次之内」で著名な歌川広重の門人。しかし、活動期間はたった3年弱と短く、その正体は謎に包まれている。その広景の代表作が、幕末の江戸を舞台にした「お笑い江戸名所」ともいえるシリーズ「江戸名所道戯尽」だ。
会場では、本作全50点を一挙に公開。野良犬に魚を盗まれたり、そばを頭からかぶったり、タヌキやキツネに化かされたりと、江戸っ子たちの日常に起きた笑いのハプニングが満載で、浮世絵初心者でも気軽に楽しめるだろう。
さらに、広重のもう一人の弟子である二代歌川広重の作品20点も同時に展示する。広景のユーモラスな世界をたっぷりと堪能できる貴重な機会を見逃さないように。
※10時30分~17時30分(入館は17時まで)/休館日は11月17・25、12月1・8日/料金は1,000円、学生700円、中学生(15歳)以下無料
