台湾出身の気鋭のフォトグラファーでありアーティストのマンボウ・キー(Manbo Key)が、恵比寿屈指のユニークなヴェニュー「恵比寿 地下 味の飲食街」を舞台に特別展「Under A Void|空隙之下」を開催する。
同展は、映像文化とアートの現在を横断的に紹介する「恵比寿映像祭2026」の地域連携プログラムとして実施。飲食街の地下通路を都市の展示空間に見立て、会場固有の環境を生かした唯一無二のサイトスペシフィックな表現が創出される。
匿名性と多声性を内包する「地下」という空間。その特性を背景に、キーが2019年から現在にかけて制作してきた作品の中から、クィアコミュニティーにおいて相互扶助や連帯の関係を育んできたドラァグクイーンのパフォーマンスアーティストたちに焦点を当てた作品群を紹介する。
出品作品は、地下文化や、失われつつある昭和期のノスタルジックなナイトエンターテインメント空間、さらには地下の飲食・娯楽施設といった場所性と密接に結びついている。
そうした空気感についてキーは、「この空気は、かつて台湾が抱いていたジェンダー平等や婚姻平等への渇望を想起させる。ここに集う人々は、昼間のアイデンティティをいったん脇に置き、地下へと降りていく。私たち自身が『空隙(ヴォイド)』となり、誰でもなくなり、名前すら名乗る必要はない。ただこの希少でかけがえのない記憶を享受するのだ。」(原文ママ)と語る。
台湾のクィアカルチャーやアンダーグラウンド文化を起点に制作を続けてきたキーの実践が、都市の記憶や身体、表現と静かに交差する本展。24時間いつでも観覧できるので、気軽に立ち寄ってほしい。
※終日/入場は無料

