ムーミンの生みの親で、多方面に才能を発揮したフィンランドのアーティスト、トーベ・ヤンソン(Tove Jansson、1914〜2001年)の個展が開催。初期の油彩画や第二次世界大戦前後の風刺画、ムーミン小説・コミックスの原画やスケッチ、愛用品など約300点を通して、トーベの創作の世界を振り返る。
画家を目指していたトーベは、若い時から雑誌の挿絵で活躍。第二次世界大戦後の復興期には、市庁舎や病院、保育園など、公共施設の壁画も数多く手がけた。
戦争中のつらい日々からの救いの場として書き始め、1945年から1970年までに刊行された「ムーミン」小説は全9冊。ストーリーも挿絵もトーベによるムーミンは、新聞連載漫画や絵本にもなり、世界的な人気を博した。
本展の見どころは、ムーミンたちも登場する保育園のために描かれた壁画「フェアリーテイル・パノラマ」。日本ではあまり知られていない本作を、2面合わせて幅約7メートルの原寸大映像で紹介する。さらに、「ムーミン」小説の印象的な挿絵の映像演出も予定している。
ムーミンシリーズの魅力と、それを支えるトーベの豊かな創造力を再発見してほしい。
※10~18時(金・土曜・祝前日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/料金は未定