「TOKYO NODE」で、アメリカを代表するマルチメディアアートのパイオニア、トニー・アウスラー(Tony Oursler)による日本初の大規模個展が開催される。現代美術家のジム・ショー(Jim Shaw)と共同制作した初期の代表作『プライベート』や主要作品『スペキュラー』をはじめ、構想から四半世紀以上を経て実現する未発表作品や本展のための新作など約50点を紹介。そのうち約半数が日本初公開となる。
アウスラーは、映像・彫刻・音・光・言葉を融合させた没入型インスタレーションで知られる。プロジェクションマッピングに先駆け、立体物への映像投影という表現手法を切り開いた。その作品世界は、ポップカルチャーから科学、宗教、陰謀論、超常現象、宇宙まで広がり、データの流れや監視システム、霊や信号といった現代社会における「見えないもの」への欲望と不安を映し出す。観る者を感覚的な思索へと誘う表現が特徴だ。
会場では、世界的音楽家のデヴィッド・ボウイ(David Bowie)と作曲家のグレン・ブランカ(Glenn Branca)との協働により2000年に構想された『空(くう)』を初めて作品化して公開。さらに、サイトスペシフィックな大型新作『キメラ』も制作中で、科学・魔術・未確認現象などに関するアウスラーのリサーチや収集資料から厳選されたアーカイブも並ぶ。
AIや監視技術、生成メディアの発展により、私たちの知覚や現実認識は大きく変化する一方で、スピリチュアルや未確認現象への関心も高まりつつある。こうした時代において、「テクノロジーと霊知のはざま」を見つめてきたアウスラーの作品は、重要な問いを投げかける。
魔術・メディア・アート・テクノロジーに関心を持つ人にとって、本展は刺激的な体験となるだろう。
※10~19時(金・土曜は20時まで)/入場は閉館の30分前まで/料金は2,400円、学生1,400円、中学・高校生800円、小学生以下無料




