

藤田嗣治 絵画と写真
「東京ステーションギャラリー」で、乳白色の下地に描いた絵画で世界的に知られた、エコール・ド・パリを代表する画家・藤田嗣治(1886〜1968年)の個展が開催。藤田の芸術を「写真」をキーワードに再考し、画家と写真の関係を「絵画と写真につくられた画家」「写真がつくる絵画」「画家がつくる写真」の3つの視点からひもとく。
見どころは、オカッパ頭に丸メガネ、口元のひげと奇抜なファッション、そして傍らには猫という、絵画と写真でセルフブランディングした藤田のメディア戦略。アイコニックなキャラクターを世に知らしめた自画像とポートレート写真を一挙に展示し、映像が氾濫する時代に先駆けた「画家のメディア戦略」の跡を追う。
また、日本とフランスに遺された写真資料の中から、藤田が撮影した優品を厳選して紹介。ライカを手にした藤田が好奇心の赴くままにシャッターを切ったモノクロ写真とカラー写真は、見る者の心引きつける必見のスナップショットだ。
描くこと、そして撮ること。2つの行為を行き来した「眼の軌跡」を追いかけ、これまでにない角度から藤田の魅力に迫っていく本展。ぜひ足を運んでほしい。
※10〜18時(金曜は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(7月21日、8月11・25日は開館)、7月22日、8月12日/料金は1,500円、学生1,300円、中学生以下無料