「GYRE GALLERY」で、グループ展「永劫回帰に横たわる虚無 三島由紀夫生誕100年=昭和100年」が開催。国内外の現代美術家によって、三島由紀夫(1925~1970年)の遺作『豊饒の海』をテーマに、戦後日本美術の空虚と再生を見つめ直す。
フランスの哲学者、ロラン・バルト(Roland Barthes、1915~1980年)は、「表徴」があふれている中心のない空虚な日本に注目し、それを「意味の帝国」に対し「表徴の帝国」と表現した。天皇・都市・女形・すき焼き・礼儀作法・パチンコ・学生運動も表徴であって、意味から解放された日本文化の自由度を描写した。
本展では、バルトが語った「表徴の帝国」としての日本と、三島が自決する数カ月前に遺した「空虚な国」という視点を手がかりにする。そして、アーティストたちが「意味」から解放された表現を通して、中心なき美の風景を浮かび上がらせる。
参加アーティストは、中西夏之、ジェフ・ウォール(Jeffrey Wall)、杉本博司、アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)、池田謙、森万里子、平野啓一郎、友沢こたお。ぜひ足を運んでほしい。
※11〜20時/休館日は8月18日/入場は無料
企画:飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所 所長)