ロンドンを拠点に活動する写真家、スティーブン・ギル(Stephen Gill)の個展が、「art cruise gallery by Baycrew’s」で開催。写真を「世界を記録するためのもの」から、「世界とともにイメージを生み出すためのもの」へと拡張してきたギルの作品36点を展示する。
写真家の「撮る」という行為を少しずつ手放し、自然や偶然に作品を委ねる手法を探求してきたギル。編集から印刷、製本に至るまでの出版に関わる全ての工程を自ら手がけ、これらの作業そのものも彼の芸術活動において重要な役割を果たしている。
『Hackney Flowers』では、ロンドン・ハックニーで撮影した写真に現地で採集した花や種を重ねるなど、時間や土地との協働を制作のプロセスに取り込んだ。『Talking to Ants』は、植物や昆虫をカメラ内部に入れることで、予期せぬ影や痕跡を風景とともにフィルムへと定着。さらに『The Pillar』では、モーションセンサー付きのカメラを農地に設置し、集まる鳥たちを写真家不在のまま撮影した。
写真をコントロールするのではなく、写真が生まれる状況そのものを作る。ギルが試みてきた静かな実験に触れてほしい。
※11〜20時(入場は閉館の30分前まで)/入場は無料



