「神奈川県立近代美術館 葉山」で、戦後日本を代表する画家の一人、中西夏之(1935〜2016年)の個展が開催。中西が生涯をかけて思考を続けた絵画の成り立ち、絵画が生まれる場を探る。
中西は、1960年代初頭に高松次郎や赤瀬川原平らと「ハイレッド・センター」を結成し、都市部で前衛的なイベントを行う。また、舞踏家の大野一雄や土方巽と交流を深め、多くの舞台美術を手がけた。
本展の見どころは、海の見える展示室一室を使って展開される、大作『紗幕孔穿』による空間インスタレーション。同作は舞踏家との交流の中、1960年代から中西がずっと温めていた、絵画が生まれる場=「絵画場」を独自の哲学と素材で表現した、晩年を代表するシリーズ「着陸と着水」の2作目だ。
画家の晩年の思考に触れる貴重な機会。ぜひ足を運んでほしい。
※9時30分〜17時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(5月5日は開館)/料金は250円、20歳未満・学生150円、65歳以上・高校生100円、中学生以下無料