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縦5.5メートル、横は30メートルにもなる岡本太郎による巨大壁画『明日の神話』。2008年から「渋谷マークシティ」内の、京王井の頭線とJRの渋谷駅を結ぶ連絡通路に恒久設置されている。
同壁画は1954年にアメリカが太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で被爆した「第五福竜丸」事件に着想を得て、岡本が1968年から69年にかけメキシコシティで制作。しかし、当初設置予定だったホテルの建設が頓挫したことにより、30年以上にわたり行方不明になった。
2003年に発見された後「明日の神話再生プロジェクト」が立ち上がり、日本に分けて移送され修復。汐留や「東京都現代美術館」での展示後に、渋谷駅での一般公開が決定した。
2023年からはクラウドファンディングで資金を募り、設置以来初めての大改修が行われた。修復を手がけたのは、明日の神話再生プロジェクトに携わったのと同じ吉村絵美留だ。3期に分けて工事は実施され、2026年6月末に完了。壁画は再び鮮やかな色彩を取り戻した。
『明日の神話』は単なる巨大壁画、岡本渾身の一作というだけでなく、当時の世相、メキシコとの関係や壁画運動、養女・岡本敏子の奇跡的な発見と再生、Chim↑Pomによる改変行為など、さまざまなドラマが織り込まれている。日本を代表する街・渋谷の駅という日常風景が展開する中でこそ、折に触れて見上げてほしい平和への祈りが込められたパブリックアートである。
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