フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫
長谷川潾二郎《猫と毛糸》1930年 個人蔵

フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫

  • アート
  • 府中市美術館, 府中
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タイムアウトレビュー

浮世絵、日本画、現代アート――日本には魅力的な猫の絵がたくさんあるが、中でも、独特の存在感を放っているのが、近代洋画の猫だ。ツンとすましたおしゃれでモダンな猫、あえて素朴に表した猫など、洋画家たちは多彩な猫の絵を描いてきた。

そんな猫というモチーフを、洋画の魅力的なテーマへと押し上げたのが藤田嗣治。1920年代のパリで脚光を浴びた『乳白色の裸婦』の側に1匹の猫を描き、さらに、まるで自分のサインのように自画像に入れたことで、猫は欠かせないモチーフとなっていた。

「府中市美術館」では、「フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫」が開催。藤田の『裸婦の横の猫』を出発点に、西洋とは違う日本の猫の絵の歴史も背負い、猫というモチーフから新たな道を見いだそうとした日本の洋画家26人の作家による作品を紹介する。

見どころは、藤田の「猫」の作品群。裸婦の横に猫を描き込んだ初期の作品から、藤田の猫人気を物語る『猫の本』、戦時下の混沌(こんとん)を象徴する猫の乱闘、そして最後まで手元に残した一枚までもが大集合する。

また、「絵画の主役は人物」という芸術観から動物絵画の少なかった西洋と、人と動物は同じ心を持つという仏教の教えを背景に、動物絵画の宝庫であった日本を比較。その奥にある動物観の違いを探っていく。

さらに、藤田以降の猫の絵に大きな展開をもたらした、猪熊弦一郎の傑作群も見逃せない。最大級の油絵から、ユニークな猫がびっしりと描かれたスケッチブックの一葉まで、猫の作品15点が並ぶ。

なお、2025年1011日(土)13日(月)は誰でも無料で入場できる。

※1017時(入館は1630分まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は前売り800円、学生400円、中・小学生200円/当日1,000円、学生500円、中・小学生250円、未就学児無料

詳細

イベントのウェブサイト
fam-exhibition.com/foujita2025/
住所
府中市美術館
東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
Tokyo
アクセス
京王線『府中』駅よりバス『府中市美術館』下車すぐ

イベント詳細

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