「SCAI THE BATHHOUSE」で、1960年代中盤から60年以上にわたり活動を続け、コンセプチュアルアートの地平を切り開いてきた美術家、ダニエル・ビュレン(Daniel Buren)の個展が開催。新作群と、会場建築や高い天井から差し込む自然光の移ろいといった環境の諸要素が共鳴し、作品と空間が相互に作用し合う構成を生み出す。
1966年にパリで結成したグループでの活動や、1960年代半ばに街路空間で行われた無許可のポスター掲示は、ビュレンの既存の美術制度に一石を投じる批評的かつ哲学的、そして挑戦的な姿勢を示してきた。
自身が「ゼロ度の絵画」と名づけた、現在も発展を続ける8.7センチメートル幅の白とカラーのストライプは、『Les Deux Plateaux(二つの台地)』(1985〜86年)、通称「ビュレンの円柱」をはじめ、場の構造を問い直すサイトスペシフィックな作品やパブリックプロジェクトの基軸として、世界各地で展開されている。
本展では、新作『Prismes et mirroirs : Haut-relief (プリズムと鏡 :高浮き彫り)』シリーズ6点を中心に構成。インダストリアル・カラー・パレットから選ばれた色彩が、「Prisme」と呼ばれる凸状の形態に施され、鏡面状の支持体上に配置される。近年、作家は「光」や「反射」といった現象へのアプローチをより深め、作品とそれが置かれる環境との関係性を考察し続けている。
かつて京都で「借景」の思想に触れ、制作概念を深化させたビュレン。国際的な活動を展開する中で国内でも数々のコミッションワークを実現してきたその実践が、再び日本の地において新たな文脈を問い直す。
※12〜18時/休廊日は日・月曜・祝日/入場は無料
