「PARCEL」で、国内外で高く評価される写真家・西野壮平の個展「Behind the clouds」が開催。都市・旅・記憶・雲といった要素を通じて、西野の写真表現がどのように視点を広げ、世界との距離を再考してきたかを紹介する。
西野は2003年以降、自らの足で都市を歩き撮影した膨大な写真を一点一点手作業で切り出し、貼り合わせることで、一枚の「記憶の地図」として立ち上げる『Diorama Map』シリーズを継続してきた。本展では、約20年にわたる「東京」の変遷を追った定点観測的作品群に加え、飛行機の窓越しに捉えた雲をテーマにした新シリーズ『FL350』を発表する。
『FL350』は、約10年にわたり移動中に撮影された風景を再構成した連作。作品化を意図していなかったが、身体の移動とともに蓄積された記憶の層であることに気づき、シリーズとして成立した。西野にとって、飛行機で雲を越える時間は「世界との距離を測る最初の儀式」。雲の合間に見える大地の営みを見つめることが、旅の始まりと終わりを形作るという。
会場では、初期の俯瞰(ふかん)視点「空中散歩」から生活者目線、最新作の「雲越し」という絵画的視点まで、制作の変遷と視点の深化を体感できる。重なる視点は都市を一つの生命体として描き、西野自身の「自己肖像」も浮かび上がらせる。
雲の向こう側に広がる、多層的な風景世界を垣間見てほしい。
※14〜19時/休廊日は月・火曜・祝日/入場は無料


