建築家・磯崎新(1931~2022年)の没後、国内初となる大規模回顧展が開催。 自身が設計した「水戸芸術館」を舞台に、建築の枠を超えた磯崎の活動を俯瞰(ふかん)的に紹介する。
磯崎は20世紀を代表する革新的な建築家の一人で、2019年には「プリツカー賞」を受賞。建築プロジェクトや都市計画に限らず、著作活動、芸術家や知識人とのコラボレーション、さらにはキュレトリアルワークを通じ、60年以上にわたり思想・美術・文化論・批評分野においても卓越した地位を確立した。
「群島としての建築」と題した本展では、決して単一の領域に留まらない磯崎の活動を「群島」の様に構成。「都市」「建築」「建築物」「フラックス・ストラクチャー」「テンタティブ・フォーム」「建築外(美術)」をキーワードに、建築模型・図面・スケッチ・インスタレーション・映像・版画・水彩画などのメディアを通じて磯崎の軌跡をたどる。
建築を媒介に世界の構造そのものを問い続けた磯崎の歩みを、水戸芸術館という彼自身の建築空間の中で再発見する本展。ぜひ足を運んでほしい。
※10〜18時(入場は17時30分まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は900円、70歳以上・高校生以下無料

