「日本民藝館」で、同館の創設者で民藝運動を興した柳宗悦(1889~1961年)が見た「抽象美」とは何かを探る展覧会「抽象美と柳宗悦」が開催される。
柳の晩年に当たる1950年代は、日本の美術界で抽象美術が大きな注目を集めた。1957年、柳は雑誌『心』に「抽象美について」を寄稿。「古くして新しい抽象美」について述べたこの一文は、1958年の『民藝』第63号での抽象紋特集に発展し、多くの図版によって具体的に提示された。
この特集は、染織では「久留米絣(くるめがすり)」 や沖縄の「琉球絣(りゅうきゅうかすり)」、「こぎん刺し」やアイヌ民族の衣装、陶磁では日本の「流し釉(ながしゆう)」やイギリスの「スリップウェア」などが登場。また、北アメリカをはじめとする先住民族の工芸における「抽象美」も紹介され、民族芸術(エスニックアート)や部族美術(トライバルアート)といわれる原始的な造形に、柳も注目していたことが分かる。
本展では、特集に掲載された「抽象紋」の工芸を軸に構成。さらに、柳が関心を持った近代絵画も並び、近代美術に向けた柳の視線の一端を紹介する。
※10〜17時(入館は16時30分まで)/休館日は月曜/料金は1,500円、学生800円、中学生以下無料
