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東中野駅前に建つ「PAO COMPOUND」の8階にある、私設文庫「シルクロード文庫」。和光大学の名誉教授で、中央アジアの遺跡の研究と保護に力を注いだ亡き前田耕作の構想を継ぎ、安仲卓二ら有志が2023年に開設した。
中に入ると、窓からは中野の街並みを遠望。天気の良い日には、富士山を望む。背中側にはぐるぐると円を描くように書棚が並び、さながら知の迷宮だ。書籍は1万冊以上を数え、イランをはじめシルクロード関連書籍を中心とするが、一言ではまとめられないジャンルレスな本が揃う。
日本とペルシャを結んだシルクロードには、さまざまな国の文化や歴史、そこに暮らした人々の「生」が幾層にもわたり網の目のように織り込まれてきた。同文庫の棚も、それを表しているようだ。万人に開かれた図書館ではない。司書もおらず、貸し出しもしていないが、自ら探求心を持って本の山に挑めば、「宝物」が見つかるかもしれない。
同ビルの1階には中央・西アジア料理店、2階には工芸品を扱うショップがあり、9階のバーではイラン映画の上映会などのイベントを開催。ビル丸ごとが、シルクロードのオアシスごとき複合施設と化している。
安仲は、書籍の出版も手がけている。『歴史の歩みにおけるイランと日本-サーサーン朝ペルシャから現代まで-』は、元駐日イラン大使のアラグチ外相が書き下ろした一冊。前イラン最高指導者のアリ・ハメネイ師が殺害された2026年2月28日に原稿を受け取ったという。興味のある人は、手に取ってみては。
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