フライング・ロータスが来日、グロテスクすぎる監督作品について語る

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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アメリカの音楽プロデューサーフライング・ロータス(Flying Lotus)がスティーブ(steve)名義で制作した初長編監督作品『KUSO』のジャパンプレミアが、8月16日に開催された。イベントには監督自身も登壇し、トークショーが行われた。

ミュージシャンであるフライング・ロータスの映像作品が誕生したことは、意外なことではない。もともと、高校卒業後にロサンゼルス映画学校で勉強していたことや、2016年には映像作家エディ・アルカザールと組み、映像スタジオ「Brainfeeder Films」を立ち上げていたからだ。

映画『KUSO』より

映画『KUSO』は、巨大地震に見舞われたロサンゼルスを舞台に、奇病に侵された人々のストーリーが紡がれる。サイケデリックで、チープなB級映画のような雰囲気をもつ作品だ。それぞれの登場人物たちの物語が展開しては移り変わるという構造で、ひとつのアルバムを聞いているような感覚にもなる(劇中音楽にはフライング・ロータス、ジョージ・クリントン、エイフェックス・ツイン、山岡晃の楽曲が使用されている)。

 映画『KUSO』より

本作についてフライング・ロータスは、「子どものころからラーメンやアニメなど、日本のカルチャーに親しんできた。20年くらい、日本の映画にインスパイアされてきたんだ。映画監督の三池崇史と塚本晋也、北野武は僕のヒーローだよ。本作で日本の映画からもらったインスピレーションへの恩返しができたかな」と日本への愛を明かした。

タイトルは、日本語の「糞」からつけられている。「アメリカで、KUSOって言ってもなんの問題もないだろうと思ってつけたんだ、日本だと問題になっちゃうんだけどね。自分にとってはいろんな意味がある言葉。映画ってそういうものでしょ? 観る人によっていろいろな受け取り方があっていい」。

 映画『KUSO』より

次作の脚本に取りかかっていることも明かしたフライング・ロータス。「次の作品は、また違ったクレイジーな作品になるよ。すべて頭の中で起った出来事で、相当いっちゃってる感じ。『KUSO』で表現した僕の考えていることは、どういうものが狂ってるか、何を観たときに驚いたり怖いと思うのかということ。自分の中にあるユーモアを交えたダークジョークが現れている」と話した。

映画『KUSO』はシネクイントで8月18日(土)より1週間限定で上映される。

『フライング・ロータス初長編監督作品 KUSO』の詳細はこちら

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