写真家の西村裕介が約3年半日本全国を巡り、訪問した200もの神社仏閣で写し撮った石像の写真作品シリーズ『THE STONE』。東京ミッドタウン内にある21_21 DESIGN SIGHTのギャラリー3では、27点の『THE STONE』を展示する展覧会を2021年6月7日（月）から開催する。
西村が石像の魅力に取りつかれたのは、2015年に出版した写真集『The Folk』の撮影で全国の神社仏閣を訪ねていた時のこと。静寂のなかにたたずみ、自然と調和した安らかな雰囲気を醸し出すある寺の五輪塔に目が止まった。すると一瞬、木々の間から太陽の光が差し込み、影が作り出した五輪塔の新たな表情を見た瞬間、石像の未知なる魅力が、西村にとってどうしようもなく気になる存在になったのだそうだ。
期間中は『THE STONE』作品のほか、『THE STONE』から生み出されたという9つのポスター作品と2つの映像作品も展示。ポスターはアートディレクターやデザイナーとして活動する井上嗣也、映像は映像ディレクターの牧鉄馬が手がけた。また、6月下旬から全国で発売されるの写真集『THE STONE』の先行販売もあるので、ぜひこちらもチェックしてほしい。
「石像」というものに触れたことがない人も多いかもしれないが、このような時代だからこそ、西村が各地で出合った石像たちの素朴で力強い精神世界を感じてみてはどうだろう。