Ryuichi Sakamoto & Tin Drum: Kagami+
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大阪、7月に行くべきアート展5選

マリメッコや坂本龍一、ジブリ、笹本晃まで

Chikaru Yoshioka
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7月の関西では、大型企画展から最新テクノロジーを用いた没入型作品、国内初公開となる回顧展まで、多彩なアートイベントが各地で幕を開ける。北欧デザインを代表するマリメッコの創造の軌跡をたどる展覧会や、坂本龍一が晩年に取り組み、世界各地で反響を呼んだ『KAGAMI』の日本初公開、「ジブリパーク」の魅力を凝縮した体験型展覧会など、注目の企画がそろった。

本記事では、この夏足を運びたい大阪・京都のアート展を厳選して紹介する。

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  • アート

フィンランド生まれの「マリメッコ」は、ファッションやインテリアの枠にとどまらず、ライフスタイルそのものを提案し続けるデザインハウス。1951年の創業以来、デザイナーの思想を尊重したものづくりを通して、暮らしに彩りや喜びをもたらしてきた。これまでに生み出されたオリジナルプリントは3500種類以上にのぼり、再解釈を重ねながら世代を超えて愛されている。

「京都文化博物館」で開催される「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」では、創業者のアルミ・ラティア(Armi Ratia)の言葉を手がかりに、マリメッコの創造の美学と受け継がれるプリントメイキングの技術に多角的な視点から迫る。会場には1960年代から近年まで、厳選された約70点のドレスが集結。「ドレスをキャンバスに」というラティアの思想を体現する、シルエットとプリントの融合を紹介する。

また、マリメッコを象徴する模様が生まれる背景を、貴重な資料とともに公開。自然の風景から描かれたスケッチや切り絵、原画などがファブリックへと変換されていく過程を通して、「模様のちから」を感じられるだろう。

さらに、アートユニット「plaplax」による映像インスタレーションでは、デザインが生まれるヘルシンキのマリメッコ本社「プリント ファクトリー」を映像とプロジェクションで表現。手仕事の温もりとデジタル表現が融合する空間の中で、模様が生まれる瞬間を体験できる。

デザイナーの皆川明によるマリメッコを再解釈した新作インスタレーションも見どころの一つだ。マリメッコとの対話から生まれる表現を通して、国境や時代を超えて共鳴するデザインの魅力を提示する。

マリメッコが紡ぐ色と模様の世界に、ゆっくりと没入したい。

  • アート

坂本龍一のピアノ演奏を三次元的に捉え、複合現実(MR)の空間に再構築する作品『KAGAMI』。本作は、坂本とトッド・エッカート(Todd Eckert)率いるTin Drumが、坂本の最後の4年間をかけて共同制作したプロジェクトだ。2023年にニューヨークで世界初演を迎えて以降、ロンドン、マンチェスター、台北、シンガポール、メルボルン、イタリア、香港など各地を巡回し、大きな反響を呼んできた。

そして今回、「VS.(ヴイエス)」で待望の日本初公開が実現する。観客は特殊な透過型ヘッドセットを装着し、独自の三次元映像技術によって精緻に再現された坂本の演奏と向き合う。象徴的なグランドピアノに向かう姿は、音楽と呼応するTin Drumによる幻想的な3Dビジュアルとともに空間に立ち上がり、現実のコンサートでは決してかなわない距離感で、その演奏を体感できる。

会場では、坂本と高谷史郎によるインスタレーション作品『Time, Time』や、演奏データをグランドピアノで再生する『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2026 - D』なども展示される。さらに、映像や写真、テキストに加え、坂本自身が調香した香りも空間に漂い、視覚・聴覚・嗅覚など多様な感覚を通して、坂本の世界観へと深く没入できる構成となっている。

静穏でありながら深い余韻をたたえた『KAGAMI』。それは坂本の音楽を映し出す静かな鏡のような作品だ。かつてない形で、坂本の音楽と対峙(たいじ)する体験が待っている。

チケットには、約60分の体験に加え、展示鑑賞と限定特典EP盤が付属する「RED TICKET」と、約30分の体験と展示鑑賞がセットになった「BLUE TICKET」が用意されている。いずれも日時指定制で、12歳以下は入場できないので注意してほしい。

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  • アート

スタジオジブリ作品の世界を表現した公園施設「ジブリパーク」。2022年の開園以来、国内外から多くの来園者を集めている。その魅力を凝縮した体験型展覧会「ジブリパーク展」が、「大阪南港 ATCホール」の「ATCギャラリー」で開催される。

本展の特徴は、「遊べる」ことをテーマにした体験型構成にある。貴重な資料展示に加え、大人も子どもも見て、触れて、回って楽しめる仕掛けが随所に施されている。

ジブリパークの魅力としては、細部までこだわり抜かれた建築や展示物を楽しめること、広大な園内を歩きながら自分だけの発見ができること、そして多様な世界観が混在する「ごちゃまぜ感」などが挙げられる。本展もまた、「来てみなければ分からない」体験そのものを楽しめるだろう。

ジブリパークを訪れたことがある人も、これから訪れる人も、スタジオジブリの世界に迷い込みながら、自分だけの「ワクワク」を見つけてみよう。なお、チケットは日時指定制なので注意してほしい。

  • アート

「国立国際美術館」で、国際的に活躍するアーティスト・笹本晃による大規模個展「笹本晃 ラボラトリー」が開催。2025年に「東京都現代美術館」で開催された展覧会を基盤としながら、会場構成や同館所蔵作品を加えることで出品内容の一部を変更し、美術館の空間特性を生かした新たな展示を試みる。

笹本は、彫刻的な思考と身体表現を往還しながら制作を続けてきた。糸・管・日用品・音・言葉といった多様な要素を組み合わせ、思考や感情が行き交う回路のようなインスタレーションを構築。さらに、自らその空間に入り込み、語りや動作を交えたパフォーマンスを行うことで、作品は時間とともに変化し続ける「出来事」として展開される。

展覧会タイトルにもなっている「ラボラトリー(実験室)」が示すように、笹本の実践は完成された結果を提示するのではなく、試行錯誤のプロセスそのものを観客と共有する点に特徴がある。会場では、初期作品から近年の作品までを紹介。代表的なパフォーマンス/インスタレーション作品をはじめ、写真・映像・ダイアグラム(パフォーマンスの過程で生み出される作品)などを通して、その多彩な表現をたどる。

パフォーマンスは、展覧会の開幕時や終盤に合わせて、複数回実施される予定だ。展示空間を舞台に、言葉・身体・オブジェクトが複雑に絡み合い、その場限りの出来事が繰り広げられる。

固定された作品展示にとどまらず、状況や関係性の変化そのものを含んだ「生きた展示」として、鑑賞者の思考と感覚を揺さぶる本展。作品をただ見るだけでなく、空間を歩き、音や気配を感じながら、その思考の流れへと引き込まれていくだろう。

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  • アート

カール・ヴァルザー(Karl Walser18771943年)は、20世紀前半に活躍したスイスの美術家。20代からドイツ・ベルリンを拠点に活動し、象徴主義や印象主義など当時の新たな芸術潮流に触れながら、優美な線や色彩に深い意味を潜ませた画風を築く。画家としてベルリン分離派の中心的な存在を担う一方、舞台美術から書籍の挿絵、室内装飾、壁画制作まで幅広い分野で才能を発揮した。

「大阪中之島美術館」で開催される回顧展「スイス絵画の異才 カール・ヴァルザー」では、絵画や素描など約150点を紹介し、その全てが日本初公開となる。見どころの一つは、ベルリンで暮らし始めた頃に制作された作品群だ。日常の何気ない風景や人物が流麗な線と穏やかな色彩で描かれている一方、どこか謎めいた雰囲気を漂わせ、物語の世界へと誘うような魅力を宿している。

また、1908年に日本を訪れたヴァルザーが特に魅了されたのが、京都府北部の宮津だった。日本三景の一つとして知られる「天橋立」をはじめ、歌舞伎や祭りなど明治期の日本の風俗や風景を、生き生きとした筆致で描き出している。加えて、舞台美術のための下絵や、弟で作家のローベルト・ヴァルザー(Robert Walser)の著書に寄せた挿絵原画も見逃せない。

生前は高い評価を得ながらも、その後長らく歴史の陰に埋もれていたヴァルザー。近年になってスイスでも再評価が進む中、本展はその創作の軌跡に触れる貴重な機会となりそうだ。

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  • レストラン

建築家の藤本壮介がデザインを手がけ、心斎橋に新たに誕生した「ハウス オブ ディオール 心斎橋」。その4階に、DIORの世界観を体現するレストラン「ムッシュ ディオール 大阪」がオープンした。空間デザインは建築家のピーター・マリノ(Peter Marino)が担当し、メゾンの創設者であるクリスチャン・ディオール(Christian Dior)が愛した庭園を想起させる、光と花に満ちた世界観が広がる。

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スタジオジブリ作品を通して禅の思想に触れる体感型展覧会「禅とジブリ」が、2026103日(土)〜126日(日)、「京都市京セラ美術館」の「新館 東山キューブ」で開催される。本展は、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫と禅僧による対談をまとめた著書『禅とジブリ』を原点に、ジブリ作品を通して「禅的なまなざし」を体感する構成だ。

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